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シーズン途中まで在籍したエンジェルスを相手に、プーホルスが本塁打を打つ。このパターンは今年何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディノ・イーブル(左)とアルバート・プーホルス Aug 8, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月8日、アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・ドジャース)は、リード・デトマーズ(ロサンゼルス・エンジェルス)からホームランを打った。

 2012年から今年の5月上旬まで、プーホルスはエンジェルスでプレーしていた。デトマーズは1週間前にメジャーデビューしたばかりのルーキーだが、チームメイトとしてプーホルスとともに過ごしたエンジェルスの選手は少なくない。大谷翔平もその一人だ。

 ドジャースとエンジェルスが顔を合わせる「フリーウェイ・シリーズ」は、この試合が今シーズンの最後だった。プーホルスは前日と前々日の試合にも出場し、打点を挙げ、ヒットも打ったが、ホームランはなかった。5月7日~9日にエンジェル・スタジアムで行われた「フリーウェイ・シリーズ」には出場していない。直前の5月6日にエンジェルスのロースターから外され、13日に退団し、17日にドジャースへ入団した。ちなみに、エンジェルス戦のホームランは、これが初めてではなく、通算5本目だ。最初の4本は、セントルイス・カーディナルス時代に記録している。

 今シーズン、2チーム以上でプレーしている選手は、三桁に上る。そのなかで、移籍前に在籍していたチームを相手にホームランを打った選手は、見落としがなければ、プーホルスが2人目だ。7月27日にヒューストン・アストロズからシアトル・マリナーズへ移ったエイブラハム・トロが、移籍当日と翌日に、アストロズの投手からホームランを打った。移籍前を含め、トロは4試合連続ホームラン。そのストリークの2試合目、移籍前日のホームランは、マリナーズの投手から記録した。

 アストロズとマリナーズの3連戦中に、トロは移籍した。このトレードと移籍直後のホームランについては「防御率0点台のクローザー放出から数時間後に先発投手を獲得。マリナーズは迷走しているのか、それとも…」「マリナーズで出場1試合目にホームランは31人目。過去には、城島やペタジーニ、テームズやサンタナも」で書いた。

 プーホルスと違い、トロの場合、今シーズンが終わるまでに、アストロズの投手からさらにホームランを打つかもしれない。マリナーズとアストロズは、どちらもア・リーグ西地区のチームだ。ここから、あと9試合を行う。8月20日~22日(ミニッツメイド・パーク)と8月30日~9月1日(T-モバイル・パーク)、9月6日~8日(ミニッツメイド・パーク)に3試合ずつだ。

 また、トロとプーホルスに続き、移籍前のチームを相手にホームランを記録する選手が出てきてもおかしくない。現時点でその可能性がある――シーズン途中に移籍し、今後、移籍前のチームと移籍後のチームが試合を行う――選手のなかには、ネルソン・クルーズ(ミネソタ・ツインズ→タンパベイ・レイズ)、ジョーイ・ギャロ(テキサス・レンジャーズ→ニューヨーク・ヤンキース)、クリス・ブライアント(シカゴ・カブス→サンフランシスコ・ジャイアンツ)といったスラッガーもいる。ツインズとレイズは8月13日~15日と9月3日~5日、レンジャーズとヤンキースは9月20日~22日、カブスとジャイアンツは9月10日~12日に顔を合わせる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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