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大谷翔平の「8試合連続ホームランなし」は、他のスラッガーと比べて長いのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 5, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が最後にホームランを打ったのは、7月28日だ。その翌日からスタートした、ホームランなしの「ストリーク」は、8月5日を終え、8試合となっている。これは、今シーズンの自己最長だ。5月26日~6月4日の7試合連続(うち1試合は代打で1打席のみ)を上回った。

 もっとも、他のスラッガーと比べると、大谷のホームランが出ていないスパンは、それほど長くない。ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、4月28日から5月9日まで、11試合続けてホームランを打たなかった。

 ゲレーロJr.はここまで34本塁打なので、大谷よりも3本少ないが、シーズン50本塁打以上を記録した直近の10人も同様だ。2019年に53本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)を除く9人は、いずれも10試合以上続けてホームランなしのスパンがあった。2007年に54本塁打のアレックス・ロドリゲスは、それが3度だ。ロドリゲスを含め、2度以上は5人を数える。

筆者作成
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 2007年に50本塁打のプリンス・フィルダーは、後半戦の1試合目にホームランを打ってから、次のホームランまで半月以上も間が空いた。2010年に54本塁打のホゼ・バティスタは、6月22日の1試合2本塁打を挟み、前後にホームランなしがそれぞれ10試合以上続いた。

 ホームランなしの「ストリーク」が二桁に達しなかったアロンゾも、7月27日から8月5日のダブルヘッダー1試合目まで、8試合続けてホームランが出なかった(このスパンの出場は9試合だが、打席に立たなかった8月4日は除く)。現時点の大谷は、これと同じ長さだ。

 また、今シーズン、大谷が5試合以上続けてホームランを打たなかったスパンは、ここまで5度だ。こちらも、決して多くはない。2005年に51本塁打のアンドルー・ジョーンズ――2013~14年に東北楽天ゴールデンイーグルスで計50本塁打を記録した、あのジョーンズだ――は、それが10度もあった。

 7月29日以降、大谷はホームランが出ていないだけでなく、打率は.143(28打数4安打)と低く、打席の3分の1は三振を喫している。33打席で11三振だ。けれども、7月31日は二塁打を打って走者を生還させ、8月4日は6イニングを投げて1点しか取られなかった。エンジェルスはこの2試合に、1対0と2対1で勝利を収めた。7月29日~8月5日の8試合中、エンジェルスが挙げた白星は4つだ。

 なお、エンジェルスは8月6日~8日に、アウェーでロサンゼルス・ドジャースと対戦する。この3試合はDHがなく、大谷の出番は限られそうだ。代打だけになるかもしれない。その次は、8月10日~12日にホームでブルージェイズと4試合。大谷とゲレーロJr.が、同じ試合に出場する。それについては、こちらで書いた。

大谷翔平がブラディミール・ゲレーロJr.に対して投げる日。中6日なら、次の登板で実現

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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