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「投手・大谷翔平」と「打者・大谷翔平」が対戦したら…その結果は!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 投手の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と打者の大谷が、対戦することはない。これは、大谷に限らず、どの選手でもそうだ。

 ただ、大谷の場合、二刀流選手として、投打のどちらでも活躍している。妄想するだけでも、愉しい気がする。少なくとも、私はそう思う。

 今シーズン、大谷は73.0イニングを投げ、ホームランは6本しか打たれていない。9イニング平均0.74本は、70イニング以上の113投手中、15位に位置する(7月21日時点)。ア・リーグに限れば5位だ。一方、大谷は9.4打数に1本のペースでホームランを打っている。34本という本数だけでなく、こちらも規定打席以上の両リーグ・トップだ。大谷対大谷は、ホームランをあまり打たれていない投手と、どの選手よりもホームランを打っている打者の対戦となる。

 スプリッターは、打たれたホームランも打ったホームランもゼロなので、投手の大谷に分があるようにも見える。けれども、そうとは言いきれない。最後の球がスプリッターだった打席の数には、大きな差がある。スタットキャストによると、それぞれ、84打席(登板時)と9打席だ。

 一方、ホームランと違い、三振と四球に関しては、投打とも数値が似ている。マウンド上の大谷は、対戦した打者の31.1%を三振に仕留め、11.8%を歩かせている。打者としては、三振率29.8%と四球率11.2%だ。投げても打っても、その結果は、三振と四球が約30%と約10%を占める。投手の大谷と打者の大谷が対戦した場合も、回数を重ねていくと、これと同じような割合になるのかもしれない。

 なお、奪三振と与四球の割合がどちらも大谷に近い投手は、ヒューストン・アストロズのクリスチャン・ハビエア(奪三振30.7%/与四球12.2%)とシカゴ・ホワイトソックスのディラン・シース(奪三振29.5%/与四球9.6%)だ。今シーズン、大谷とこの2人の対戦は3打席ずつ。ハビエアにはすべて抑えられたが、シースからは、最初の打席でホームランを打っている。

 三振と四球は、ニューヨーク・ヤンキースのジャンカルロ・スタントン(三振28.5%/四球11.9%)、ミルウォーキー・ブルワーズのウィリー・アダメス(三振29.1%/四球10.2%)、ワシントン・ナショナルズのカイル・シュワーバー(三振29.0%/四球10.2%)、タンパベイ・レイズのブランドン・ラウ(三振30.7%/四球12.6%)、オークランド・アスレティックスのマット・チャップマン(三振31.3%/四球12.2%)が、大谷と近い。今シーズン、大谷はシュワーバー以外の4人に対して投げ、計11打席で被安打2、与四球2、奪三振5。長打は打たれていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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