この夏のトレードで、メッツは三塁手でなく遊撃手を獲得するのか。あるいは三遊間コンビをセット買い!?
ナ・リーグ東地区の首位にいるニューヨーク・メッツは、この夏、投打のいずれにも補強を施すつもりのようだ。野手に関しては、三塁手を手に入れようとしているらしい。いくつかの報道によると、クリス・ブライアント(シカゴ・カブス)やジョシュ・ドーナルソン(ミネソタ・ツインズ)に興味を抱いているという。ブライアントは、外野と一塁も守る。
ただ、メッツはターゲットを変更し、三塁手ではなく、その隣を守る遊撃手の獲得に動くかもしれない。後半戦が始まった7月16日、遊撃手のフランシスコ・リンドーアがスウィングの際に右の脇腹を痛め、翌日に故障者リストへ入った。診断の結果は、3段階のグレード2。復帰までは数週間を要する見込みだ。
獲得できそうなFA直前の遊撃手には、トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)、ハビア・バイエズ(カブス)、アンドレルトン・シモンズ(ツインズ)らがいる。メッツはリンドーアと、来シーズンから10年3億4100万ドルの契約を交わしているので、来シーズン以降も契約が残っている遊撃手はフィットしない。欲しいのは、シーズン終了とともにFAとなる、レンタルの遊撃手だ。
あるいは、三塁手と遊撃手をどちらも手に入れるというシナリオもある。別々のトレードではなく、ブロックバスター・トレードで三遊間コンビを一気に獲得することも、可能性としてはゼロではない。ブライアントとバイエズ、ドーナルソンとシモンズはツインズ、それぞれ、カブスとツインズでプレーしている。
獲得に際しては、交換に手放す選手はもちろんだが、メッツは年俸総額についても考慮するだろう。2億1000万ドルを超えると、超過分には「贅沢税」が課される。
大物の三塁手と遊撃手をどちらも手に入れ、さらに先発投手も加えるには、オーナーが優勝するためなら「贅沢税」を支払ってもいいと決断するか、それなりのトップ・プロスペクトを差し出す代わりにある程度の年俸額のベテランも一緒に引き取ってもらい、年俸総額を少しでも減らす――増える分をすべて相殺できなくても――やり繰りが必要になりそうだ。