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菊池雄星と大谷翔平のように、同じ高校出身の2人が揃ってオールスターに選ばれるのは珍しい!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
菊池雄星(シアトル・マリナーズ)Jun 25, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のオールスター・ゲームには、3人の日本人選手、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)、菊池雄星(シアトル・マリナーズ)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が選ばれている。

 それぞれの出身高校は、ダルビッシュが東北高等学校、2人は花巻東高等学校だ。オールスター・ゲームに選出された東北高出身の選手は、ダルビッシュ以外にもいる。2001~02年の佐々木主浩と2007年の斎藤隆だ。ダルビッシュは、2012~14年と2017年に続き、今年が5度目。他に選出3度以上の日本人選手は、2001年から10年連続のイチローしかいない。

 花巻東高出身の2人は、どちらも今年が初の選出だ。彼らのように、同じ高校出身の2人が揃ってオールスター・ゲームに選ばれるのは、北米の高校出身でも珍しいことなのだろうか。

 前回のオールスター・ゲームには、エル・トロ高校(カリフォルニア州)出身の2人、ノーラン・アレナード(当時コロラド・ロッキーズ/現セントルイス・カーディナルス)とマット・チャップマン(オークランド・アスレティックス)が選ばれている。アレナードは、今年を含めて「6年連続」の選出。2019年が初選出だったチャップマンは、今年のメンバーには入っていない。

 2010年以降に選ばれた選手を調べたところ、アレナード&チャップマンと菊池&大谷の他に、同じ高校出身の2人は、4組が見つかった(すべてではないかもしれない)。2011年は2組。レイク・ブラントリー高校(フロリダ州)出身のリッキー・ウィークスジョニー・ベンタース、グレート・ブリッジ高校(バージニア州)出身のマイケル・カダイヤージャスティン・アップトン(当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス/現エンジェルス)だ。2013年はレダン高校(ジョージア州)出身のブランドン・フィリップスドモニク・ブラウン、2015年はビショップ・ケニー高校(フロリダ州)出身のジョナサン・パペルボンダレン・オデイ(当時ボルティモア・オリオールズ/現ニューヨーク・ヤンキース)が、揃って選出されている。

 毎年ではないものの、極めて稀なことでもないらしい。なかには、アーチビショップ・モーラー高校(オハイオ州)出身のバリー・ラーキンケン・グリフィーJr.のような例もある。彼らは、1990~91年と1993~97年、1999~2000年と2004年に、揃ってオールスター・ゲームに選ばれた。最後の2度は、シンシナティ・レッズのチームメイトとしてだ。この2人のオールスター・ゲーム選出は計25度を数え、ともに殿堂入りしている。

 なお、メジャーリーガーが多く出ている高校(2018年時点)については、3年前にこちらに書いた。

菊池雄星がMLBへ行くと、花巻東からは大谷翔平に続く2人目。メジャーリーガーが最も多く出ている高校は

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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