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オリックスに入団するランヘル・ラベロは、パワー・ヒッターなのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ランヘル・ラベロ Feb 24, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャース傘下のAAAでプレーしていたランヘル・ラベロが、オリックス・バファローズに入団するようだ。数日前にラベロの日本行きをツイートしたフランシス・ロメロが、アップデート情報として、オリックスと契約すると報じた。

 ラベロは29歳。右打ちの一塁手だ。レフトとライトも守る。プロ入り当初は三塁手だったが、2013年以降は、ほとんど三塁の守備についていない。2014年にシカゴ・ホワイトソックス傘下のAAで2試合と、2019年にセントルイス・カーディナルスのAAAで5試合しかない。

 今シーズン、ラベロはAAAで26試合に出場し、ホームランと二塁打を8本ずつ打ち、27打点を挙げている。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は.407/.504/.758、OPSは1.263だ。

 一方、2019~20年にカーディナルスの選手として出場したメジャーリーグの計42試合は、ホームランと二塁打が3本ずつ、打点は13、スラッシュラインとOPSは.189/.250/.351と.601に過ぎない。

 また、カーディナルス傘下のAAAでプレーした3シーズンの成績は、2017年が89試合で本塁打8本と二塁打25本、スラッシュラインとOPSは.314/.383/.480と.863、2018年が100試合で13本と19本、.308/.392/.487と.879、2019年は95試合で12本と20本、.299/.383/.473と.856だ(2020年のマイナーリーグは全試合が中止)。

 3シーズンとも、成績がほとんど変わらないことからすると、今シーズンは出来過ぎのような気がする。サンプル数も少なく、115打席に満たない。なかでも、パワーに関しては、その前の2010~17年を含めても、15本塁打以上のシーズンは一度もない(二塁打は2014年の37本をはじめ、シーズン25本以上が3度)。

 ただ、スタットキャストによると、ラベロがメジャーリーグで打った3本のホームランのうち、2019年9月12日の通算2本目は推定飛距離487フィート(約148.4m)を記録した。この飛距離は、2019年の4位、2015年以降の14位タイに位置する。ちなみに、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の自己最長は、今月8日の470フィート(約143.3m)だ。ラベロのホームランはクアーズ・フィールドで打ったものとはいえ、大谷の最長を17フィート(約5.2m)も上回る。

 もしかすると、今シーズンのラベロは、これまでも高水準だったアベレージに加え、もともとポテンシャルの高かったパワーも、発揮し始めているのかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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