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阪神の佐藤輝明は、球宴ファン投票の最多得票記録を更新するのか。これまでの最多は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
18年前に史上最多の票を得たのは、阪神の選手だった March 12, 2020(写真:アフロ)

 オールスター・ゲームのファン投票で、佐藤輝明(阪神タイガース)はトップに立っている。6月3日の中間発表は、6万2269票。セ・リーグ外野手部門の2位と3位、鈴木誠也(広島東洋カープ)とジェリー・サンズ(阪神)の得票を合計しても、1位の佐藤に及ばない。リーグとポジションを問わず、佐藤の得票は全選手の最多。2番目と3番目は、パ・リーグ外野手部門の2人、5万6853票の柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)と5万162票の吉田正尚(オリックス・バファローズ)だ。

 このまま、佐藤はセ・リーグ外野手部門のトップで選出されるだろう。全選手のトップも、可能性は高い。ただ、歴代の最多得票を更新するかどうかは、別の話だ。

 ファン投票の最多記録は、今岡誠が持つ。2003年にセ・リーグの二塁手部門で158万8712票を得て、それまでの最多だった1999年のイチロー(パ・リーグ外野手部門:134万6504票)を上回った。

 現在、パソコン、スマートフォンおよび携帯電話による投票は、1人(1つのメール・アドレス)につき、1日1回となっている。2007年までは、1日5回が上限だった。今岡が得票記録を塗り替えた2003年も1日5回ながら、この年は大量投票が横行。期間中に入力方法を変更したものの、歯止めをかけることはできなかった。翌年より、それを防ぐ措置が講じられた。

 下の表は、「~2003年(インターネットによる投票がなかった1995年以前を含む)」「2004~07年」「2008年~」という3つのスパンにおける、それぞれの得票トップ10だ。各年の最多得票ではなく、なかには、ファン投票で選出されなかった選手もいる。2006年の松中信彦がそうだ。77万5519票を得たものの、パ・リーグのDH部門には80万6021票の清原和博がいた。松中は、監督推薦で選ばれた。

筆者作成
筆者作成

「~2003年」の10人中、2003年以外の選手は、1999年のイチローと2002年の松井秀喜(セ・リーグ外野手部門:129万8046票)しかいない。

 また、「2004~07年」に100万票以上を得たのは、2007年の山﨑武司(パ・リーグDH部門:109万4803票)だけだ。「2008年~」に至っては、100万票以上どころか70万票以上も皆無。2018年の柳田(パ・リーグ外野手部門:61万9150票)以外は、60万票に達していない。

 2003年の有効枚数は706万1073、2007年は466万2439、2018年は212万3535だ。2011年以降は、230万未満が続いている。

 今年の場合、球場の観客数が制限されている影響もあるかもしれない。例年、投票は紙のほうが多い。直近の2019年(2020年は開催中止)は、Webの有効枚数が79万3136、投票用紙は113万3140だった(投票用紙は球場以外にも置いてある)。現時点の中間発表は、Webによる投票を集計したもので、紙による投票は反映されていない。

 なお、投票は6月20日まで。最終結果は6月28日に発表される。試合は、7月16日と17日に、それぞれ、メットライフドームと楽天生命パーク宮城で行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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