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阪神で初安打までが遠かった外国人選手のシーズン成績。バースは35本塁打、ボーアは17本、ロハスは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
メル・ロハスJr. Mar 11, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メル・ロハスJr.(阪神タイガース)は、5月8日のNPBデビューから21打席続けて無安打に終わり、外国人選手が初安打を打つまでの球団ワースト記録を塗り替えた。それまでの最長は、昨シーズンにジャスティン・ボーアが打ち立てた18打席連続無安打。その前は、1983年にランディ・バースが記録した15打席連続無安打が最も長かった。

 もっとも、無安打の連続試合として捉えれば、そう長くない気もする。ボーアが初安打を打ったのは5試合目、ロハスJr.は6試合目だ。それぞれのストリークは、4試合連続無安打と5試合連続無安打でストップした。

 なかには、初安打が出るまでは長かったものの、シーズン全体としては悪くない成績を残した選手もいる。バースがいい例だ。1983年のバースは、打率.288、35本塁打、83打点を記録した。セ・リーグで本塁打王を獲得した山本浩二大島康徳は36本塁打だったので、その差は1本しかなかった。

 ただ、近年に関しては違う。2001年以降に阪神でNPB1年目を迎え、そこから無安打が10打席以上続いた外国人選手は、見落としがなければ、ボーアが5人目、ロハスJr.は6人目だ。ロハスJr.を除く5人のシーズン成績を比べると、ボーアですら大活躍に思えてくる。

筆者作成
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 このなかで、2015年に出場3試合のネルソン・ペレスは、他の選手とは経緯が異なる。日本の独立リーグを経て、6月に阪神と契約し、シーズン終盤に二軍から昇格した。けれども、他の4人も、期待されて来日したにもかかわらず、二軍でもプレーした。4人ともNPB2年目を迎えられず、ペレスは残留したものの、再び一軍へ昇格することはなく、無安打のストリークに終止符を打てなかった。

 ロハスJr.も、早々に調子を上げないと、出場機会を失い、同じような道をたどりかねない。5月18日は、ホームランで初安打を記録すると、次の打席も続けてヒットを打ったが、翌日は4打席とも無安打。3三振を喫している。その後、阪神は試合を行っておらず、次は5月25日の予定だ。

 なお、ボーアは、サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のAAAにいて、山口俊らとともにプレーしている。こちらは、5月6日の開幕戦にシーズン初安打を打ったが、ここまでに出場した13試合の打率は.200に過ぎず、ホームランは2本しか出ていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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