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この親子のどちらにもホームランを打たれる投手は、まだまだ増える!? シャーザーは2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Apr 27,2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月27日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、3打席続けてホームランを打った。その1本目と2本目は、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)から、満塁本塁打とソロ本塁打を記録した。

 シャーザーがゲレーロJr.にホームランを打たれるのは、これが初めてだ。昨年7月29日の初対戦は3打席とも討ち取り、2度目の今回も、最初の打席は併殺打に仕留めた。だが、シャーザーは、ゲレーロJr.の父、ブラディミール・ゲレーロに2本のホームランを打たれている。2010年4月23日と2011年8月13日。どちらも、2ラン本塁打だった。

 ゲレーロ親子のどちらにも被本塁打は、イバン・ノバ(コロラド・ロッキーズ)に続き、シャーザーが2人目だ。ノバは、父に2本(2011年7月30日と9月8日)、息子に1本(2019年5月17日)のホームランを打たれている。

 この人数は、まだ増える可能性がある。父にホームランを喫した303人のなかには、ざっと数えた限りだが、現時点でメジャーリーグの球団に在籍している投手が10人いる。

 ノバとシャーザー以外の8人は、ザック・グレインキー(ヒューストン・アストロズ)、リッチ・ヒル(タンパベイ・レイズ)、ウェイド・デービス(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ジョン・レスター(ナショナルズ)、ホアキム・ソリア(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、トミー・ハンター(ニューヨーク・メッツ)、ジョーダン・ジマーマン(ミルウォーキー・ブルワーズ)に、5年ぶりのメジャーリーグ復帰をめざしているスコット・キャズミアー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だ。開幕直前にボルティモア・オリオールズからFAになった、フェリックス・ヘルナンデスは含めていない。

ブラディミール・ゲレーロ July 24, 2003
ブラディミール・ゲレーロ July 24, 2003写真:ロイター/アフロ

 なお、ケン・グリフィーケン・グリフィーJr.の親子どちらにもホームランを打たれた投手は、13人を数える。これが最多かどうかは調べていないが、最多かそれに近いと思われる。1988~89年に読売ジャイアンツで投げたビル・ガリクソンも、その一人だ。読売時代を挟むように、父にはその前、息子にはその後、ホームランを喫した。また、カーク・マッキャスキルは、1990年9月14日の初回に、「2番・レフト」の父と「3番・センター」の息子に、続けてホームランを打たれた(息子には2年後にもう1本)。

 グリフィー親子は、父が1973年から1991年まで、息子は1989年から2010年まで、メジャーリーグでプレーした。ゲレーロ親子は、父が1996年から2011年まで。息子は2019年にデビューした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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