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初めて牽制でアウトになった試合で「連続盗塁の最長記録」を樹立する。デビューから失敗なしで28盗塁

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョナサン・インディア(上)とティム・ロカストロ Apr 10, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月10日、ティム・ロカストロ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)がメジャーリーグ記録を樹立した。6回裏に二盗を決め(上の写真)、殿堂選手のティム・レインズが1979~81年に作った、デビューから失敗なしで連続27盗塁の最長記録(盗塁失敗が公式記録となった1951年以降)を上回った。ティモシーがティモシーを追い越した。

 ロカストロのスパイクは、クーパースタウンの殿堂へ。二塁ベースをもらったロカストロは、それを母にプレゼントした。

 この試合の1回裏に、ロカストロは牽制球で刺された。2017年のデビュー以来、初めてのことだ。一塁手のジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)がタッチするよりも早く、ロカストロの手はベースに触れ、セーフとコールされたが、そこから手が離れてしまい、レビューによって判定が覆った。映像では、ボトーのグラブが、ロカストロの腕を押しているようにも見える。ただ、いずれにせよ、これは盗塁失敗ではない。

ジョーイ・ボトー(左)とティム・ロカストロ Apr 10, 2021
ジョーイ・ボトー(左)とティム・ロカストロ Apr 10, 2021写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 また、ロカストロは、こちらもキャリア初の1試合4安打を記録した。5打席目は三振を喫したものの、それまでの4打席に、内野安打2本を含むシングル・ヒット4本を打った。

 ちなみに、デビューから失敗なしで25盗塁以上は、レインズとロカストロの他に3人いる。マイケル・ペイジ(1977年/26盗塁)とジャコビー・エルズベリー(2007~08年/25盗塁)、クインティン・ベリー(2012~14年/25盗塁)がそうだ。彼らのうち、レインズは808盗塁。同名の息子は10盗塁ながら、マイナーリーグで454盗塁を記録した。エルズベリーは343盗塁、ペイジは104盗塁、ベリーは29盗塁だ。

 なお、レインズが記録したキャリア最長の連続成功は、40盗塁(1993~95年)だ。こちらは、ビンス・コールマンの50盗塁(1988~89年)とイチローの45盗塁(2006~07年)に次ぐ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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