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佐藤輝明のオープン戦6本塁打は、阪神では11年前の鳥谷敬以来。2010年以降のNPB全体で4人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
鳥谷敬 February 26, 2013(写真:アフロスポーツ)

 3月17日、佐藤輝明(阪神タイガース)が3試合連続となるホームランを打ち、オープン戦の本塁打を6本とした。

 調べたところ、2010年以降、各年のオープン戦で5本塁打以上を記録した選手は、佐藤の前に延べ14人いた。佐藤のように、ドラフトで入団した翌年という選手は皆無だ。2011年のオープン戦で5本塁打のマイカ・ホフパワーは、この年がNPB1年目だったが、直前の3シーズンはMLBのシカゴ・カブスでプレーしている。2010年は24試合で0本塁打ながら、AAAの118試合で22本のホームランを打った。

筆者作成
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 6本塁打は、2010年の鳥谷敬(当時・阪神/現・千葉ロッテマリーンズ)、2013年の柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)、2018年のウラディミール・バレンティン(当時・東京ヤクルトスワローズ/現・福岡ソフトバンク)の3人。佐藤の6本塁打は、阪神の選手では11年ぶりということになる。

 鳥谷が6本塁打を記録した当時のサンケイスポーツ(2010年3月22日)によると、阪神で6本塁打以上は、2001年に7本塁打のイバン・クルーズ以来だったという。2011年のホフパワーと同じく、クルーズもNPB1年目だった。前年のホームランは、MLBのピッツバーグ・パイレーツで0本(8試合)、傘下のAAAで7本(36試合)、メキシカン・リーグで20本(51試合)。2001年のシーズンは、70試合で14本塁打を記録した。

 佐藤は、ここからさらにホームランを打ち、2001年のクルーズに並ぶ、あるいは上回る可能性もある。阪神はあと3試合、オープン戦を行う。3月19日~21日に、オリックス・バファローズと対戦する。

 なお、佐藤に塗り替えられるまで、ドラフトが始まった1965年以降の新人記録を持っていた佐々木恭介――1971年にドラフト1位で近鉄バファローズに入団し、翌年のオープン戦で5本塁打――は、そのシーズンのホームランも、オープン戦と同じ5本(53試合)だった。佐々木はパワー・ヒッターではなく、シーズン最多本塁打は1980年の19本。1978年に打率.354を記録し、首位打者を獲得した。また、1957年に読売ジャイアンツへ入団し、翌年のオープン戦で7本塁打の長嶋茂雄は、そのシーズンに29本塁打を記録し――この他に一塁ベースを踏まずに幻となったホームランが1本――本塁打と打点(92打点)の両タイトルを手にした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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