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昨シーズン、各球団最後の白星と黒星はどの投手だった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
白星も黒星も、先発登板とリリーフ登板がほぼ半々(写真:アフロ)

 昨シーズン、各球団で最後に白星を挙げた投手と黒星を喫した投手は、以下の24人だ。調べる前は、最後の白星と黒星が同じ投手という球団があるかもしれないと思っていたが――リリーフ投手なら、可能性は先発投手よりも高い――実際は、どの球団も別の投手だった。

筆者作成
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 球団最後の白星を挙げた12人のうち、福岡ソフトバンクホークスの石川柊太は、3対1とリードした4回表から3イニングを無失点に封じ、シーズン11勝目。チームメイトの千賀滉大と東北楽天ゴールデンイーグルスの涌井秀章に並び、最多勝のタイトルを手にした。今シーズン、石川と涌井は、それぞれ別の試合だが、開幕戦の先発マウンドに上がる。

 東北楽天の岸孝之は、10月15日の完封(対千葉ロッテマリーンズ)に続く、シーズン2度目の完投を記録し、通算40完投とした。西武ライオンズ/埼玉西武ライオンズで33完投、東北楽天で7完投。対埼玉西武の完投は、昨シーズンの最終登板が初めてだ。

 中日ドラゴンズの柳裕也は、完封まで1アウトに迫り、その時点で塁上に走者はいなかったが、四球、二塁打、ヒットで3対0から3対2とされ、マウンドを降りた。後を引き継いだ藤嶋健人が1人目の打者をライトフライに討ち取り、一軍初セーブを挙げた。

 2019年のドラフトでオリックス・バファローズに入団した宮城大弥は、3登板目にして初白星。5イニングで3点(自責点2)を取られたものの、7三振を奪った。

 千葉ロッテの岩下大輝は、シーズンの白星と黒星を同数の7ずつとした。通算も13勝13敗だ。この試合は、4回表から2.1イニングを投げて被安打は1本ながら、6回表に与四球2。シーズン全体では90.0イニングで35人を歩かせていて、制球に課題を残す。それでも、2019年と2020年の与四球率を比べると、BB/9(9イニング平均)は4.39→3.50、BB%(対戦打者に占める割合)は11.6%→8.9%と下がっている。

 一方、球団最後の黒星を喫した12人中、広島東洋カープの九里亜蓮は、中日の柳と投げ合い、こちらは完投を記録した。2017年の自己最多に並ぶシーズン9勝目は挙げられず、3年連続8勝となったが、昨シーズンは初めて規定投球回に到達し(130.2イニングは自己最多)、防御率も初めて3.00を下回った。

 阪神タイガースの青柳晃洋は、2017年が4勝4敗、2018年が1勝1敗、2019年は9勝9敗(一軍1年目の2016年は4勝5敗)。昨シーズンも、最後の登板が黒星でなく白星なら、またしても、白星と黒星が同数の8勝8敗となるところだった。

 オリックスの宮城と同じく、昨年のドラフトで東京ヤクルトスワローズに入団した奥川恭伸は、この試合が一軍初登板。広島東洋の1番打者として出場した鈴木誠也の二塁打をきっかけに2点を取られると、3回表は1アウトも奪えないまま、2ラン本塁打を含む4連打。そこで、交代を告げられた。

 オフに読売ジャイアンツからトレードされ、奥川とチームメイトになった田口麗斗は、1点差の9回裏に登板し、2死満塁からサヨナラ安打を打たれた。

 なお、ポストシーズンを含めると、読売で昨年最後の黒星を喫したのは、日本シリーズ第4戦に先発した畠世周となる。同様に、福岡ソフトバンクの白星は松本裕樹(日本シリーズ第4戦)、千葉ロッテの黒星はオフに阪神へ移籍したチェン・ウェイン(クライマックス・シリーズ第2戦)が最後だ。ただ、読売と千葉ロッテの最後の白星は、ポストシーズンを含めても変わらない。

 昨シーズン最後のホームランについて書いた、姉妹編はこちら。

各球団で昨シーズン最後にホームランを打ったのは…。12人中3人は最初と最後。1人は退団、1人は移籍

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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