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【2021年に達成されそうな記録/投手編】涌井秀章は150勝、田中将大と西勇輝は100勝まで一桁

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大 AUGUST 20, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 東北楽天ゴールデンイーグルスへ戻った田中将大は、メジャーリーグ時代(2014~20年)の78勝を含まなければ、8年ぶりに日本プロ野球で挙げる白星が100勝目となる。西勇輝(阪神タイガース)も100勝まで一桁。あと5勝に迫っている。2011年以降、西はどのシーズンも5勝以上を挙げてきた。田中とローテーションを形成する涌井秀章は、150勝まで6勝だ。3人とも、それぞれのマイルストーン到達に必要な白星は、昨シーズンの半数前後。田中はメジャーリーグで10試合に投げ、3勝(3敗)を挙げた。防御率は3.56だった。

 オリックス・バファローズへ移籍した能見篤史は、1500奪三振まで4だ。ちなみに、開幕時点であと23だった昨シーズンは、最初の4登板で計5三振(1、2、0、2)を奪った。今シーズン、能見に続いて1500奪三振に到達する投手がいるとすれば、則本昂大(東北楽天)だろう。過去2シーズンの奪三振は67と105ながら、2014~18年は5シーズン続けて185奪三振以上を記録している。

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 リリーフ投手では、宮西尚生(北海道日本ハムファイターズ)が800登板と400ホールドに近づいているが、どちらも来シーズンに持ち越しとなる可能性の方が高い。キャリアハイの2012年(66登板)と同じか、それより多い試合に投げないと800登板には届かず、400ホールドもキャリアハイの2019年(43ホールド)とほぼ同数が必要だ。もっとも、これまでに宮西が挙げた358ホールドは、すでに歴代最多。ホールドを記録するたびに、自身が持つ日本プロ野球記録を塗り替える。

 今シーズン、200セーブに到達する投手は現れそうにない。あと50セーブ未満の3人のうち、山崎康晃(崎の右上は大ではなく立/横浜DeNAベイスターズ)は開幕二軍もあり得る。昨シーズン、横浜DeNAのクローザーは7月下旬に山崎から三嶋一輝に代わった。増井浩俊(オリックス)は9月に先発へ回り、今シーズンも先発として投げる予定だ。オリックスへ復帰する平野佳寿は、クローザーかセットアッパーとなりそうだが、シーズンを通してクローザーを務めても、あと44セーブはハードルが高い。メジャーリーグ時代(2018~20年)の8セーブと合わせ、あと36セーブの日米200セーブなら届くかもしれない。セットアッパーの場合は、150ホールドと日米200ホールドのどちらも到達できそうだ。日本プロ野球で139ホールド、メジャーリーグで48ホールドを記録しているので、前者までは11ホールド、後者までは13ホールドだ。

 2021年の打者編は、こちら。

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 昨年の投手編は、こちら。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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