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各球団最後の「15勝投手」と「20勝投手」。最も長く途絶えているのは、どちらも同じ球団

宇根夏樹ベースボール・ライター
岩隈久志 AUGUST 16, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 短縮シーズンの2020年は、読売ジャイアンツの菅野智之が挙げた14勝が、両リーグで最も多かった。パ・リーグの最多は11勝。東北楽天ゴールデンイーグルスの涌井秀章と福岡ソフトバンクホークスの2人、千賀滉大石川柊太が1位に並んだ。

 両リーグとも15勝以上の投手がいなかったのは、20年ぶり。2000年は、中日ドラゴンズのメルビン・バンチと西武ライオンズの松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ)がそれぞれ14勝を挙げ、各リーグの最多勝投手となった。

 2001~19年のシーズン15勝以上は、延べ76人を数える。年平均4.0人だ。

 もっとも、そのなかに、横浜ベイスターズ/横浜DeNAベイスターズの投手は含まれていない。横浜DeNA最後のシーズン15勝以上は、横浜時代の1999年に17勝を挙げた川村丈夫だ。その後は14勝も皆無。13勝を挙げたのも、2019年の今永昇太しかいない。2021年から采配を振る三浦大輔は、1998年と2005年の12勝がシーズン最多だった。

 ちなみに、大阪近鉄バファローズの球史は2004年までだが、2001年以降のシーズン15勝以上は延べ3人。2002年にジェレミー・パウエルが17勝を挙げ、2003~04年に岩隈久志が2年続けて15勝を記録した。

筆者作成
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 一方、各球団最後のシーズン20勝以上は以下のとおり。こちらは、30年以上にわたって不在の球団が過半数を占める。なかでも、最も長く途絶えているのは、シーズン15勝以上と同じく、横浜DeNAだ。大洋ホエールズ時代の1970年に平松政次が25勝を挙げた後、20勝投手の不在は半世紀に及ぶ。

筆者作成
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 なお、日本プロ野球最後とその直前のシーズン20勝以上は、どちらも東北楽天の投手だ。2013年に田中将大が24勝を挙げる5年前、2008年に岩隈が21勝を記録した。2014年以降の日本プロ野球では、2017年に菅野が挙げた17勝がシーズン最多だ。

 同じシーズンにそれぞれ15勝以上を挙げたチームメイトについては、こちらで書いた。

NPBの「15勝デュオ」は21世紀に入って5組。「20勝デュオ」は絶滅か

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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