新たな一塁手が加わり、あのフランチャイズ・プレーヤーはこのまま引退!?
ワシントン・ナショナルズとピッツバーグ・パイレーツの両球団が、クリスマス・イブにトレードを成立させた。ナショナルズは一塁手のジョシュ・ベルを手に入れ、パイレーツはその見返りとして、若手の右投手2人を獲得した。
2020年のナショナルズは、一塁手を固定できなかった。続けて5試合以上に先発出場した選手は皆無。また、一塁手としてそれぞれ先発20試合以上の2人、エリック・テームズとアズドゥルバル・カブレラは、オフにFAとなった。テームズは、400万ドルのオプションを破棄された。2人に次いで一塁出場が多かったハウイ・ケンドリックもFAとなり、今月下旬にインスタグラムで引退を表明した。
ナショナルズで一塁手として出場した選手のトータル成績は、出塁率.318、OPS.784、10本塁打だった。一方、ベルはDHと代打を含む57試合に出場し、出塁率.305、OPS.669、8本塁打。いずれのスタッツも、ナショナルズの一塁手全体を下回る。だが、2019年は143試合に出場し、出塁率.367、OPS.936、37本塁打を記録している。
ベルの加入により、動向が不透明になったのは、ナショナルズ一筋にプレーしてきたライアン・ジマーマンだ。新型コロナウイルス感染のリスクを考慮し、2020年は全休を選択。ナショナルズは、FAとなったジマーマンと再契約する意向もあったようだが、ジマーマンが守る一塁は空きがなくなった。
ただ、スイッチ・ヒッターのベルは、左右の打席を比べると、明らかに右打席が劣る。通算OPSは、左打席の.845に対し、右打席は.725だ。2020年は.697と.590、2019年は1.002と.761だった。対左投手用の一塁手として、ナショナルズが右打者のジマーマンと再契約してもおかしくない。代打や守備固めとしても、ジマーマンは起用できる。ベルは守備がうまくない。さらに、まだ未定ながら、2021年も引き続きユニバーサルDH――ア・リーグだけでなくナ・リーグもDH制――であれば、ナショナルズはDHも必要となる。こちらも、2020年は流動的で、ケンドリック、テームズ、カブレラの3人が、それぞれ10試合以上に先発出場した。