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レッドソックスが手に入れたスラッガーは、本拠地の球場にぴったり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハンター・レンフロー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスが、タンパベイ・レイズからFAになっていた外野手、ハンター・レンフローと契約した。ボストン・グローブのアレックス・スパイアーによると、来シーズンの年俸は310万ドル。出来高を含めると、最高370万ドルに達するという。レッドソックスは2023年まで、レンフローを保有できる。レンフローの年齢は、来年1月で29歳だ。

 昨オフ、レイズはトレードにより、サンディエゴ・パドレスからレンフローを獲得した。そこから1年しか経っていないのに40人ロースターから外した理由は、今シーズンの不振よりも、年俸だと思われる。レンフローは年俸調停の申請権を持ち、来シーズンの年俸は400万ドル前後になると見込まれていた。ロースターから外されたレンフローは、マイナーリーグ降格とFAのうち、後者を選んだ。

 2017~20年の4シーズンに、レンフローは計93本のホームラン――26本、26本、33本、8本――を打った。このスパンでは34番目に多く、15.2打数に1本塁打のペースは、75本以上の67人中18位に位置する。

 また、レンフローは右のプル・ヒッターだ。レフト方向の打球が多く、ファングラフスのデータによれば、4シーズンのプル・ヒッティング率は51.1%(3方向に分割)。こちらは、1500打席以上の138人中、3番目に高い。

 来シーズンからレンフローが本拠地とするフェンウェイ・パークは、ホームからレフトまでの距離が短い。そこにはグリーンモンスターがそびえ立っているので、ホームランが増えるかどうかはわからないが、二塁打の増加が期待できる。フェンス直撃の一打だ。ここ4シーズンのレンフローの二塁打は、計72本だった。

 レッドソックスがレンフローを手に入れようとしたのは、今回が初めてではない。10年前に、ドラフト31巡目・全体953位で指名している。レンフローはそれを断ってミシシッピ州立大へ進み、2013年にパドレスから全体13位で指名された。ちなみに、この年のドラフトで全体7位の指名権を持っていたレッドソックスは、高校生左腕のトレイ・ボールを指名。ボールはメジャーデビューできないまま、昨オフに退団した。

 これまでにレンフローがフェンウェイ・パークでプレーしたのは、今シーズンの3試合だけだ。8月11日~13日のうち、2試合目は筒香嘉智に代わって9回裏の守備につき、打席には立たなかった。ただ、前後の2試合は、計11打数4安打。ホームランと二塁打を2本ずつ打った。2本目のホームランは、グリーンモンスターを越え、場外へ消えていった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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