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「ルール5ドラフト」で指名され、後に日本プロ野球でプレーした選手。スアレス兄やギャレット、ボーアも

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・スアレス(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月10日、ルール5ドラフトが行われ、18人が指名された。

 2001年以降のルール5ドラフトで指名され、後に日本プロ野球でプレーした選手は、約20人を数える。なかには、来日しながら、一軍の試合に出場しなかった選手もいる。2016年を広島東洋カープで過ごし、一軍登録されることなく退団したジェイソン・プライディがそうだ。2005年のルール5ドラフトでタンパベイ・デビルレイズからミネソタ・ツインズへ移り、翌年の開幕直前にデビルレイズへ返却された。プライディは2011年に、黒田博樹からホームランを打っている。

 今シーズンの日本プロ野球でプレーした、ルール5ドラフトの経験者では、埼玉西武ライオンズで49試合に投げたリード・ギャレットが、元の球団に返却された。2018年にデトロイト・タイガースから指名され、翌年の開幕2試合目にメジャーデビューしたが、13登板で防御率8.22と結果を残せず、5月下旬にテキサス・レンジャーズへ戻された。

 また、アルバート・スアレス(東京ヤクルトスワローズ)がルール5ドラフトで移籍したのは、メジャーデビュー後だった。昨シーズン、東北楽天ゴールデンイーグルスで33本塁打を記録したジャバリ・ブラッシュは、2015年のルール5ドラフトでシアトル・マリナーズからオークランド・アスレティックスへ移り、その日のうちにサンディエゴ・パドレスへトレードされた。

 返却、メジャーデビュー後の指名、同日のトレード。いずれも、彼らに限ったことではない。

筆者作成
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 リストに掲載した選手とプライディは、ルール5ドラフトのメジャーリーグ・フェイズで指名された。今シーズン、阪神タイガースでプレーしたジャスティン・ボーアは、2013年にその下のトリプルAフェイズでマイアミ・マーリンズに指名され、シカゴ・カブスから移籍した。ルール5ドラフトを2度経験した選手もいて、ホルヘ・ソーサのように、2000年がトリプルAフェイズ(コロラド・ロッキーズ→マリナーズ)、2001年はメジャーリーグ・フェイズ(マリナーズ→ミルウォーキー・ブルワーズ)という例もある。マリナーズへ移るまで、ソーサは投手ではなく、外野手だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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