「投手三冠」を惜しくも逃した投手たち。勝ち星と奪三振があと1つ多ければ…
今シーズン、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大は、最優秀防御率、最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得した。「投手三冠」を達成したのは、千賀が史上20人目(延べ21人目)だ。20人のうち、稲尾和久が2度、1958年と1961年に記録している。
一方、過去には「投手三冠」を惜しくも逃した投手もいる。直近では、2017年の菊池雄星(当時・埼玉西武ライオンズ/現シアトル・マリナーズ)がそうだ。防御率1.97はリーグ1位、16勝は東浜巨(福岡ソフトバンク)と並ぶ最多。そして、奪三振217は則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)より5つ少ないだけだった。
2014年の金子千尋(弌大/当時オリックス・バファローズ/現・北海道日本ハムファイターズ)も同様だ。防御率1.98と16勝はリーグ1位、奪三振199は1位と5つ差の2位。こちらも、則本に「投手三冠」を阻まれた。
また、3タイトル中、獲得したのは最優秀防御率(1.53)のみながら、2012年の前田健太(当時・広島東洋カープ/現ミネソタ・ツインズ)も「投手三冠」に迫った。14勝と奪三振171は、どちらもトップと1つしか違わなかった。2011年のダルビッシュ有(当時・北海道日本ハム/現シカゴ・カブス)は、奪三振276がリーグで最も多く、18勝はトップと1つ差、防御率1.44は17ポイント差だった。
さらに遡れば他にもいるが、ここ10年に「投手三冠」を惜しくも逃した投手を挙げるなら、この4人だろう。彼らのうち、前田は2010年に「投手三冠」を達成している。
なお、「投手三冠」ではないが、1996年のセ・リーグは、3タイトルに「斎藤」が並んだ。読売ジャイアンツの斎藤雅樹が防御率2.36と16勝で2タイトルを獲得し(16勝はチームメイトのバルビーノ・ガルベスとタイ)、横浜ベイスターズの斎藤隆はリーグ最多の206三振を奪った。
「投手三冠」を達成した投手については、先月、こちらに書いた。