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「月間20勝」の球団は、シーズンを通して強かったのか。今年の福岡ソフトバンクは負け越した月も

宇根夏樹ベースボール・ライター
福岡ソフトバンクは10月10日以降の18試合で1敗(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 10月30日、福岡ソフトバンクホークス月間20勝に到達した月間21勝目を挙げた。1ヵ月に20勝以上は、昨年5月の広島東洋カープに続き、延べ9球団目。読売ジャイアンツが2度、1953年9月と1967年8月に記録している(今シーズンは9月にリーチをかけたが、30日に敗れて19勝6敗1分)。

 また、3連敗(以上)を喫した月に20勝以上は、1973年8月の阪急ブレーブスと今年の福岡ソフトバンクだけだ。10月6日から9日にかけて、福岡ソフトバンクは引き分け1試合を挟んで3連敗。2002年8月の西武ライオンズは、月の始まりが5連敗目(7月28日~)だが、月間のスパンでは連敗をしていない。

筆者作成
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 前年までの8球団中6球団は、シーズン全体から月間20勝以上の勝敗を除いても、貯金16以上となる。そのうちの5球団は負け越した月が皆無。1973年の阪急も、月間負け越しは4月の6勝9敗しかない。ちなみに、この年の阪急は、前期3位と後期優勝。プレーオフで前期1位(後期3位)の南海ホークスに敗れ、リーグ優勝を逃したものの、前期と後期を合わせた勝率はリーグ・トップだった。

 一方、残る2球団、1997年の横浜ベイスターズと昨年の広島東洋は、勝ち越した月よりも負け越した月の方が多かった。1997年の横浜は、4月(8勝14敗)と6月(8勝13敗)と9月(9勝11敗)に加え、10月も3勝6敗に終わった。昨年の広島東洋に至っては、3月の1勝2敗を含め、5月以外のどの月も負け越した。

 今年の福岡ソフトバンクも、6月の3勝6敗1分だけでなく、9月も11勝13敗2分と負け越した。ただ、7月と8月は勝ち越したのみならず、2ヵ月続けて勝率.667(18勝9敗と16勝8敗1分)を記録した。

 なお、10月はあと1試合が残っている。福岡ソフトバンクは、30日に続いて31日も埼玉西武ライオンズに勝つと、月間最多記録の21勝に並ぶ月間最多勝の記録を塗り替える。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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