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千葉ロッテに入団したチェンは「マーリンズ、マリナーズ、マリーンズ」に在籍。過去にはあの選手も…

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、菊池雄星、平野佳寿、チェン・ウェイン Feb 20, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 チェン・ウェイン(陳偉殷)が、千葉ロッテマリーンズに入団した。日本プロ野球とメジャーリーグを合わせて、在籍は5球団目。中日ドラゴンズ、ボルティモア・オリオールズ、マイアミ・マーリンズ、シアトル・マリナーズ、そして、千葉ロッテだ。

 4球団目のマリナーズでは、登板していない。今年2月にマイナーリーグ契約を交わし、6月に自由契約となった。マリナーズが解雇したのか、チェンが解雇してもらったのかは、はっきりしない。他球団へ移る方がロースター入りのチャンスは大きいと判断し、選手から球団に解雇を求めることもある。

 たまたまとはいえ、ここ5年にチェンが在籍した3球団のニックネームは、よく似ている。マーリンズ、マリナーズ、マリーンズ。アルファベットの綴りも、Marlins、Mariners、Marinesだ。

 マーリンズは、1993年にフロリダ・マーリンズとしてスタートし、2012年からマイアミ・マーリンズとなった。マリナーズは、1977年が最初のシーズンだ。マリーンズは、1991年までロッテオリオンズだった。ロッテの前も、オリオンズのニックネームは共通する。

 メジャーリーグの両球団、マーリンズとマリナーズに在籍した選手は、少なくない。ヘンリー・コトーアーサー・ローズマイク・キャメロンロン・ビローンローガン・モリソンフェルナンド・ロドニーキャメロン・メイビン(現シカゴ・カブス)、ディー・ストレンジ-ゴードン(現シアトルマリナーズ)……、イチローもそうだ。

 そこに千葉ロッテを加え、3球団に在籍した選手も、チェンが最初ではない。調べたところ、ジャスティン・ミラーエドガー・オルモスの2投手が見つかった。

 ミラーは、2006年に千葉ロッテで12登板、2007~08年にマーリンズで108登板。マリナーズではメジャーリーグの試合に登板していないが、2010年11月から翌年4月まで在籍し、傘下のAAAで6試合に投げた。オルモスは、2013年にマーリンズで5登板、2015年にマリナーズで6登板、2018年に千葉ロッテで2登板。マーリンズの在籍期間は長い。2008年のドラフトで3巡目・全体83位指名を受けて入団し、2014年のオフにウェーバー経由でマリナーズへ移るまで在籍した。

 なお、1995年と2004~09年に千葉ロッテで監督を務めたボビー・バレンタインは、実現こそしなかったものの、マーリンズとマリナーズ、どちらの監督候補にも挙がったことがある。千葉ロッテ以外の監督歴は、テキサス・レンジャーズとニューヨーク・メッツ(傘下のAAAも含む)、ボストン・レッドソックスだ。選手時代の最後は、1979年にマリナーズで62試合に出場した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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