Yahoo!ニュース

次に放出される「大谷のチームメイト」は誰? ラステラは同地区のA'sへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とアンドレルトン・シモンズ Sep 7, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月29日、ロサンゼルス・エンジェルスは、トミー・ラステラをオークランド・アスレティックスへ放出し、フランクリン・バーレトを獲得した。ラステラはメジャーリーグ7年目の31歳。二塁、三塁、一塁を守ってきた。バーレトはメジャーリーグ4年目の24歳。こちらは、二塁と遊撃を守るミドル・インフィルダーだ。

 エンジェルスは、ア・リーグ西地区の最下位に沈んでいる。今秋のポストシーズンに進出する可能性は、限りなくゼロに近い。

 ラステラと同じく、遊撃手のアンドレルトン・シモンズと捕手のジェイソン・カストロも、シーズン終了後にFAとなる。MLBネットワークのジョン・モロシによると、トロント・ブルージェイズがシモンズに興味を持っているという。ブルージェイズでは、遊撃手のボー・ビシェットが右膝を痛め、8月16日から故障者リストに入っている。

 彼らの場合、獲得する球団からすると、シーズン(ポストシーズンを含む)が終わるまでの「レンタル」なので、エンジェルスはそう大きな見返りを期待できない。けれども、このまま保有していても、ほとんど意味はない。8月31日のトレード・デッドラインまでに、この2人も放出したいところだろう。

 一方、放出すれば、かなりの見返りが得られそうなのが、先発投手のディラン・バンディだ。ボルティモア・オリオールズにいた昨シーズンまでは、ドラフト全体4位(2011年)の資質を生かすことができなかったが、エンジェルスへ移った今シーズンは、スライダーの割合を増やしてブレイク。ここまで6試合に先発し、奪三振率10.33と与四球率1.88、防御率2.58を記録している。

 来シーズンが終わると、バンディはFAになる。この点からすると、今夏のトレード要員になり得る。

 ただ、エンジェルスが必要としているのは、他ならぬ先発投手だ。再建中の球団であれば、バンディを放出し、その見返りとして数年後にローテーション入りできる投手(できれば複数)を獲得してもおかしくないが、来シーズンのポストシーズン進出をめざすエンジェルスに、この図式は当てはまらない。

 バンディを除くと、今シーズンのエンジェルスに防御率4.50以下の先発投手は皆無だ。しかも、大谷翔平が来シーズンのマウンドに上がるかどうかは、まだ確定していない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事