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新型コロナウイルス感染のリスクを考慮して「シーズン欠場」を決めた選手たち。彼らに来シーズンはあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェリックス・ヘルナンデス(アトランタ・ブレーブス)Jul 4, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 新型コロナウイルス感染のリスクを考慮し、今シーズンはプレーしないことを決めた選手たちがいる。

筆者作成
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 彼らのうち、20代前半の2人、ジョーダン・ヒックス(セントルイス・カーディナルス)とマイケル・コペック(シカゴ・ホワイトソックス)は、来春までに事態が収束すれば、問題なくプレーを再開するはずだ。

 また、デビッド・プライス(ロサンゼルス・ドジャース)、バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、イアン・デズモンド(コロラド・ロッキーズ)は、来シーズンも契約が残っている。ジョー・スミス(ヒューストン・アストロズ)は、昨年12月に2年800万ドルの再契約を交わした。ジョー・ロス(ワシントン・ナショナルズ)も、FAになるのは早くて2022年のオフだ。

 ただ、それ以外の選手は、今オフにFAとなる。誰よりも早くシーズン欠場を表明したマイク・リーク(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の場合、2021年の契約は年俸1800万ドルの相互オプション。ダイヤモンドバックスはリークに500万ドルを支払えば、これを破棄できる。

 今春、復活に向けて好スタートを切ったフェリックス・ヘルナンデス(アトランタ・ブレーブス)は、ゼロからやり直すことになる。1月下旬にマイナーリーグ契約でブレーブスに入団したフェリックスは、2月から3月にかけて4試合に登板し、計13.2イニングで14三振を奪い、防御率1.98を記録した。もし、新型コロナウイルスのパンデミックがなく、3月下旬にシーズンが始まっていれば、コール・ハメルズの出遅れもあり、間違いなく開幕ローテーションに入っていただろう。再びマウンドに上がる前に契約を得る必要があることからすると、「一から」よりも「ゼロから」の方がぴったりくるような気がする。

 ライアン・ジマーマン(ナショナルズ)は、このまま引退するかもしれない。シーズン欠場を告げるメッセージのなかで「2020年が終わった後のことはまだ決めていない」と綴っている。

 他には、ロスの兄で同じ右投手のタイソン・ロスも、6月下旬にジャイアンツから解雇され、その数日後に、今シーズンはプレーしないことを表明している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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