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開幕戦でホームランを打った投手のうち、白星がつかなかったのは西が何人目? 大瀬良の白星は延べ11人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
平松政次 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 開幕戦でホームランを打った投手は、今年の西勇輝(阪神タイガース)と大瀬良大地(広島東洋カープ)が、延べ14人目と15人目だ。開幕戦の1試合で2本以上の投手はいないが、金田正一平松政次は2度ずつ記録している。

筆者作成
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 彼らのうち、大瀬良を含む延べ11人は、ホームランを打って白星も手にした。1969年の木樽正明は、12回裏にサヨナラ本塁打。この試合の3番手として登板し、すでに3イニングを投げていたが、代打を送られることなく打席に入った。得点が入らなければ、さらに投げる予定だったということだ。1954年の西村貞朗も、2回表の途中から6.0イニングを投げた。

 一方、1971年の平松は黒星を喫し、残る3投手、1980年の池谷公二郎と2008年の川上憲伸、今年の西は、白星も黒星もつかなかった。ホームランを打ちながら白星を手にできなかったのは、西が4人目となる。

 また、このなかから現役選手の西と大瀬良を除くと、通算4本塁打未満は、2004年の開幕戦で打ったジェイソン・ベバリンしかいない。ベバリンは、2002年にメジャーリーグで7登板。ア・リーグのクリーブランド・インディアンズとデトロイト・タイガースの投手として、どの試合もア・リーグのチームを相手に投げたので、打席に立つことはなかった。また、2008年の開幕戦で通算8本目のホームランを打った川上も、メジャーリーグでは0本だ。2009~10年の計80打席で、65打数7安打(打率.108)、6四球と9犠打を記録した。

 なお、今年の西と大瀬良は、どちらも2安打。西はホームランに続いて二塁打を打ち、2打席続けて打点を挙げた。大瀬良はホームランの2打席前に、前進守備の間を抜くヒットで、こちらも打点を記録した。また、この日に登板した投手では、西と投げ合った菅野智之(読売ジャイアンツ)もヒットを打った。ただ、次打者の内野ゴロで二塁へ滑り込んだ際に、ぎこちないスライディングで遊撃手と交錯。大事には至らなかったようで、その後も投げたものの、ヒヤリとさせた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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