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台湾でプレーしている元メジャーリーガーのなかには、日本プロ野球と韓国プロ野球も経験した選手がいる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドン・ローチ Jun 27, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 台湾のプロ野球、CPBLは4月11日に開幕した。ここまでの試合に出場した選手のうち、元メジャーリーガーは12人を数える。

 もっとも、12人中、メジャーリーグ(MLB)で通算50試合以上に出場したのは、中信ブラザーズのエスミール・ロジャースと富邦ガーディアンズのフー・ジンロンだけだ(それぞれ210試合と118試合)。中信のホゼ・デポーラと楽天モンキーズのエリー・ビヤヌエバは、どちらも1登板しかしておらず、現時点では、MLB初出場と最後の試合がイコールになっている。

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 過半数の7人は、メジャーリーグだけでなく、韓国プロ野球(KBO)あるいは日本プロ野球(NPB)でも、プレーしたことがある。なかでも、統一セブンイレブン・ライオンズのドン・ローチは、KBOとNPBのどちらでも投げた。2017年はKTウィズで28試合、2018年はオリックス・バファローズで11試合に登板した。ちなみに、中信の投手陣には、C.C.リー(2016年/埼玉西武ライオンズ)とアリエル・ミランダ(2018~19年/福岡ソフトバンクホークス)の他にも、NPB経験者がいる。2009~12年に阪神タイガース、2013年に横浜DeNAベイスターズで投げた、ジェン・カイウンがそうだ。富邦のリン・イーハウも、2010年に読売ジャイアンツで2試合に登板した。

 この他、MLBの球団と契約したものの、マイナーリーグでプレーしただけで、メジャーデビューできずに退団した選手は、二桁に上る。そのほとんどは台湾人選手だが、富邦のブライアン・ウッドオールはアメリカ出身だ。オーバーン大で投げていたウッドオール――1学年上には、2015年にMVPを受賞するジョシュ・ドーナルソン(現ミネソタ・ツインズ)がいた――は、2008年のドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから21巡目・全体648位指名を受け、2014年まで在籍した。

 なお、ビヤヌエバはCPBL3年目だが、中信で投げていた2018~19年の登録名は現在と違い、「紐維拉」だった。また、富邦のヘンリー・ソーサは、4月19日の試合で、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保つことができない事態の一因となった。ソーサにぶつけられた打者がマウンドに詰め寄り、そこから両チームの選手がフィールドに入り乱れた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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