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最も多くの球団が永久欠番としているのは「20」。トップ3にも一桁はなし

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハル・ベリーとフランク・ロビンソン May 11, 2003(写真:ロイター/アフロ)

 背番号「42」は、どの球団においても永久欠番だ。セントルイス・カーディナルスとニューヨーク・ヤンキースの「42」は、それぞれ、ブルース・スーターマリアーノ・リベラ――2人とも抑え投手だった――の永久欠番でもあるが、この両球団を含め、球界全体として「カラー・バリア(人種の壁)」を破ったジャッキー・ロビンソンを称えている。ロビンソンは、1947年から56年まで、ブルックリン・ドジャースでプレーした。

 それを除くと、最も多くの球団が永久欠番としているのは「20」だ。全30球団の3分の1以上、11球団を数える。そのうちの3球団は、フランク・ロビンソンの永久欠番だ。こちらのロビンソンは、1975年にアフリカン・アメリカンでは初めて、メジャーリーグの監督となった(選手兼任)。3球団以上で永久欠番は、他にノーラン・ライアンしかいない。ロサンゼルス・エンジェルスの「20」(在籍時はカリフォルニア・エンジェルス)、ヒューストン・アストロズとテキサス・レンジャーズの「34」が欠番になっている。

 次いで多いのは、どちらも9球団の「10」と「14」。ワシントン・ナショナルズの「10」は、移転前のモントリオール・エクスポズでプレーした2人、ラスティ・スターブアンドレ・ドーソンの永久欠番だ。

筆者作成
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 4番目以降は、8球団の「1」「4」、7球団の「3」「5」「6」「11」「24」「34」、6球団の「8」「9」と続く。ミルウォーキー・ブルワーズの「1」は、オーナーだったバド・シーリグ(前コミッショナー)の永久欠番だ。「34」の7球団には、フィラデルフィア・フィリーズも含めている。フィリーズの「34」は、5月29日にロイ・ハラデイの永久欠番となる。

 残る一桁のうち、「2」は5球団、「7」は4球団が永久欠番としている。「0」が永久欠番の球団はない。それ以外に、どの球団でも永久欠番になっていない最小の背番号は「38」だ。ただ、カート・シリングが殿堂入りすれば、フィリーズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、ボストン・レッドソックスのなかから、永久欠番とする球団が現れそうだ。2~3球団が揃って、という可能性もある。今年度の選考投票で、シリングは70.0%の記者から票を得た。75%に届かなかった選手では、最高の得票率だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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