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2019年の「最も平均的な打者」は誰? NPBの平均スラッシュラインに近かったのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
打率、出塁率、長打率の平均値は、いずれも昨シーズンからダウンした(写真:アフロ)

 今シーズン、日本プロ野球の平均打率は.252、出塁率は.325、長打率は.392だった。いずれも、昨シーズンからダウン。それぞれ、4ポイント、3ポイント、7ポイント下がった。

 規定打席に達した60人(パ・リーグ30人、セ・リーグ30人)のなかに、3部門とも平均と5ポイント差以内の選手はいなかった。いずれも10ポイント差以内も、渡邉諒(北海道日本ハムファイターズ)だけ。渡邉は、打率.262(+10ポイント差)、出塁率.333(+8ポイント差)、長打率.385(-7ポイント差)を記録した。

 3部門中2部門が、平均と1ポイント差の選手は2人いた。梅野隆太郎(阪神タイガース)は、出塁率と長打率がそれぞれ平均より1ポイント上の.326と.393。金子侑司(埼玉西武ライオンズ)は、打率と出塁率がどちらも平均より1ポイント低い.251と.324だった。

 ただ、梅野の打率.266が平均より14ポイント上であるのに対し、金子の長打率.292は平均より100ポイントも低い。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)における、今シーズンの「最も平均的な打者」は、渡邉か梅野とすべきだろう。

 ちなみに、栗山巧(埼玉西武)と井上晴哉(千葉ロッテマリーンズ)は平均と同じ打率.252、大田泰示(北海道日本ハム)は平均と同じ出塁率.325を記録した。長打率が平均と同じ打者は皆無。プラスだけでなくマイナスを含めても、梅野が最も近かった。

 なお、昨シーズンの「最も平均的な打者」は、梅野だった。それについては、2月にこちらで書いた。

昨シーズンの最も「平均的な打者」は、阪神タイガースのゴールデン・グラブ受賞者

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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