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史上5人目の「40-40」はならず。あと3盗塁に迫るが、最後の4試合は欠場

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)Sep 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「40-40クラブ」のメンバーは、4人のままだ。

 9月25日、アトランタ・ブレーブスのラインナップに、ロナルド・アクーニャJr.の名前はなかった。前日の試合で腰を痛め、3回表に交代。レギュラーシーズンは、9月25日を含めて4試合を残すが、いずれも欠場する。アクーニャJr.は41本塁打&37盗塁を記録し、史上5人目の「40-40」まで3盗塁に迫っていた。

 今シーズン、アクーニャJr.に続いて「30-30」を達成したクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)も、9月上旬にシーズンを終えた。こちらは、44本塁打&30盗塁。あと6本のホームランを打てば、史上初の「50-30」だった。

 ただ、イェリッチと違い、アクーニャJr.はポストシーズンで復帰できそうだ。

 ブレーブスは、9月20日に地区優勝を決めている。残りのレギュラーシーズンにアクーニャJr.を出場させた場合、状態が悪化して、ポストシーズンに出られないことにもなりかねない。ブレーブスとしては、個人記録のために――たとえそれが稀有なものであっても――リスクを冒したくはないはずだ。

 ブレーブスは、1995年を最後にワールドシリーズで優勝していない。アクーニャJr.が生まれる2年前だ。1996年から昨年までの23年間に、ポストシーズン進出は14度を数えるが、いずれも頂点にはたどり着けなかった。

 12月に誕生日を迎えても、アクーニャJr.は22歳だ。「40-40」のチャンスは、これからもあるだろう。一方、どれだけ活躍しても、ワールドチャンピオンになれるとは限らない。

「40-40」を達成した4人のうち、2人目のバリー・ボンズ(1996年)と4人目のアルフォンソ・ソリアーノ(2006年)は、ワールドシリーズ優勝を味わうことなくキャリアを終えた。1人目のホゼ・カンセコ(1988年)は「40-40」の翌年にワールドチャンピオンとなったものの、3人目のアレックス・ロドリゲス(1998年)は「40-40」からワールドシリーズ優勝まで11年かかった。

 なお、昨年のディビジョン・シリーズで、ブレーブスは1勝しかできず、アクーニャJr.も打率.188(16打数3安打)に終わった。だが、唯一の白星を挙げた第3戦で、アクーニャJr.はグランドスラムを打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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