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被安打1でも黒星。過去には、被安打ゼロで負けたことも

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・デスクラファーニ(シンシナティ・レッズ)Aug 12, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月14日、シンシナティ・レッズのアンソニー・デスクラファーニジョエル・クーネルは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスを1安打に抑えた。四球と死球で出塁させることもなかった。レッズの選手によるエラーも皆無だった。けれども、7イニングを投げたデスクラファーニには黒星がついた。3回裏に、先頭打者の三塁打と2人目の犠牲フライで1失点。レッズは初回に連打で1死一、二塁としたが、それを含めて3安打と2四球に終わり、得点を挙げられなかった。

 被安打1で負けるのは、今回のレッズが初めてではない。そのすぐ前は、2017年8月23日のロサンゼルス・ドジャースがそうだった。この試合は、リッチ・ヒルが被安打1の完投で、敗戦投手となった。9回裏を迎えるまで「完全試合」を続け、その回も、三塁手のエラーと送りバントで1死二塁となった後、内野ゴロを2本打たせた。だが、10回裏の先頭打者にホームランを打たれた。

 この2試合のスコアはどちらも0対1だが、被安打1にもかかわらず、もっと失点が多かったこともある。ヒューストン・アストロズは、2013年7月20日に2対4で敗れた。6回表に2四球とパスボールで1死二、三塁となった後、犠牲フライとパスボールで1失点ずつ。次の回は2死一、二塁――こちらも四球で出塁させた2人――の場面で、唯一の被安打となる二塁打を打たれ、2点を追加された。ちなみに、相手はシアトル・マリナーズ。岩隈久志が白星を手にした。

 また、被安打ゼロで負けたチームも、ベースボール・リファレンスによると、1908年以降、5試合を数える。直近は、2008年6月28日のロサンゼルス・エンジェルスだ。5回裏に、一塁手のエラー、盗塁と捕手の悪送球、犠牲フライで1点を取られた。この試合では、ロサンゼルス・ドジャースの斎藤隆がセーブを挙げた。

 被安打ゼロの黒星も、スコアは0対1ばかりではない。0対1と1対2が2試合ずつ、0対4が1試合だ。なお、5試合中3試合の敗戦投手は、完投している。一方、この5試合の勝利投手のうち、完投したのは1人しかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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