MLB.comが８月８日に掲載した、サラ・ラングスの記事には、こんなタイトルがついている。「マクニールとラメイヒューが、ウルトラ・レアな快挙を追っている。同じ都市から首位打者２人は1942年が最後」

　ジェフ・マクニール（ニューヨーク・メッツ）もＤＪ・ラメイヒュー（ニューヨーク・ヤンキース）も、それぞれリーグ１位の打率を記録している。同じ都市から首位打者２人となれば、1942年のアーニー・ロンバルディ（ボストン・ブレーブス）とテッド・ウィリアムズ（ボストン・レッドソックス）以来だという。

　では、他のタイトルはどうなのだろうか。首位打者と違い、本塁打王や打点王は、複数の選手が獲得したシーズンもある。となれば、首位打者ほどは「ウルトラ・レア」ではない可能性が高い。

　調べたところ、同じ都市をホームとする本塁打王は、ニューヨークに本拠を置くブルックリン・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースの２人、1956年のデューク・スナイダーとミッキー・マントルが最後だった。この前年も、ニューヨーク・ジャイアンツのウィリー・メイズとヤンキースのマントルが、本塁打王を獲得している。スナイダー、マントル、メイズは、３人ともセンターを守っていた。

　同じ都市の打点王は、2014年にロサンゼルス・ドジャースのエイドリアン・ゴンザレスとロサンゼルス・エンジェルスのマイク・トラウトが、各リーグでタイトルを手にした。エンジェルスの本拠はロサンゼルスではなくアナハイムだが、ドジャースと同じく、チーム名にロサンゼルスを冠している。その前には、1950年にボストン・レッドソックスの２人、ウォルト・ドローポとバーン・スティーブンスが、打点王のタイトルを分け合った。

　エンジェルスとドジャースを「同じ都市」と看做すなら、今シーズンは首位打者のみならず、本塁打王と打点王も、同じ都市をホームとする選手が獲得するかもしれない。ア・リーグでは、トラウトが本塁打（39）と打点（92）のどちらもトップに立っている。ナ・リーグでは、コディ・ベリンジャー（ドジャース）が２位タイの38本塁打と５位の89打点。トップとの差は、１本塁打と６打点だ。