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トラウトとの「アベック本塁打」ランキング。1位はプーホルス、大谷翔平は7位タイだが……

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(左)とアルバート・プーホルス Jun 22, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月8日の試合で、ロサンゼルス・エンジェルスの選手が打ったホームランは、4本あった。4回裏にトミー・ラステラマイク・トラウト大谷翔平が3者連続ホームランを記録し、8回裏にセイザー・プウェイヨも続いた。

 今シーズン、トラウト&大谷の「アベック本塁打」は4試合目だ。昨シーズンから数えると、8試合となる。アベック本塁打とは、同じチームの2人(アベック)が同じ試合にホームランを打つことを指す。6月8日の場合、エンジェルスでは、トラウト&ラステラ、トラウト&大谷、トラウト&プウェイヨ、大谷&ラステラ、大谷&プウェイヨ、ラステラ&プウェイヨがそうだ。打った順序は関係なく、2人あるいは一方のホームランが2本以上でも、アベック本塁打は1試合と数える。

 日本において「アベック」が死語かどうかはさておき、もともとがフランス語のせいか、英語でこういう言い方はしない。「チームメイトが同じ試合にホームラン」「同じ試合にチームメイトのどちらもホームラン」といった具合だ。2者連続ホームランは「バック・トゥ・バック・ホームランズ」、3者連続は「バック・トゥ・バック・トゥ・バック」と表現するが、アベック本塁打は連続であるか否かを問わない。

 トラウトとのアベック本塁打は、42試合のアルバート・プーホルスが最も多く、21試合のコール・カルフーンがそれに次ぐ。8試合の大谷は、ハウイ・ケンドリック(現ワシントン・ナショナルズ)と並ぶ7位だ。ケンドリックと違い、プーホルスとカルフーンは、今シーズンもエンジェルスでプレーしている。

筆者作成
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 けれども、ここ2シーズンに限ると、プーホルスがトラウトと記録したアベック本塁打は7試合、カルフーンは5試合だ。8試合の大谷が最も多い。

 今春、トラウトはエンジェルスと12年4億2650万ドルの延長契約を交わした。この契約は2030年まで続く。

 プーホルスの10年2億4000万ドルは2021年まで。契約満了とともに、引退する可能性が高い。カルフーンの3年2600万ドルは、今シーズンで終わる。来シーズンは1400万ドルの球団オプションだが、エンジェルスがこれを行使することはないだろう。一方、大谷がFAになるのは、早くても2023年のシーズン終了後。トラウト&大谷のアベック本塁打は、それまでにトラウト&カルフーンを上回りそうだ。大谷がエンジェルスとの契約を延長すれば、トラウト&プーホルスを追い抜いてもおかしくない。

 なお、アベック本塁打のメジャーリーグ記録は、ハンク・アーロンエディ・マシューズの75試合だ。1954年から1966年にかけて、彼らはミルウォーキー・ブレーブス/アトランタ・ブレーブスでチームメイトとして過ごした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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