ハーパーに去られ、引き留めに用意した3億ドルが浮く!? 先発投手に続く大型補強はあるのか
12月7日、ワシントン・ナショナルズのオーナー、マーク・ラーナーは、ワシントンD.C.のスポーツ・ラジオ局「106.7 The Fan」に出演し、こうコメントした。「現時点では、彼が戻ってくることはないだろう。彼らは去っていくと決めたんだと思う」
彼とは、ナショナルズからFAになったブライス・ハーパーのことだ。彼らは、ハーパーと代理人のスコット・ボラスを指している。USAトゥデイによると、ナショナルズはシーズン終了前に10年3億ドルの契約を申し出たが、彼らに断られたという。
この日、ナショナルズはパトリック・コービンの入団を正式に発表した。コービンの契約は6年1億4000万ドルだ。ハーパーの引き留めに用意した、3億ドルの半分に満たない。ナショナルズは他にも、ショーン・ドゥーリトルの球団オプション(600万ドル)を行使し、トレバー・ローゼンタール(1年700万ドル)とカート・スズキ(2年1000万ドル)を迎え入れ、クリーブランド・インディアンズからは800万ドルの契約が残るヤン・ゴームスを獲得したが、それらを差し引いても、計算上は、まだ1億ドルを優に超える金額を補強に費やせる。これだけの資金があれば、ハーパーとマニー・マチャド以外のFAは、誰でも手に入れることができる。
ただ、来シーズンの年俸総額は、2億600万ドルを超えないようにしたいはずだ。ナショナルズは2年続けて上限の金額を超過しているので、来シーズンもそうだと、課税率は2017年の20%、2018年の30%から、50%に跳ね上がる。
ここからの補強は、地味な動きになりそうだ。ハーパーが抜けても――100%そう決まったわけではないが――外野には、ホアン・ソト、ビクター・ロブレス、アダム・イートン、マイケル・テイラーの4人がいるので、新たな選手を加えることはないだろう。ソトが2年目のジンクスに嵌らず、ソト以上のプロスペクトと目されてきたロブレスが開花し、イートンが健康に過ごせば、かなり優秀なトリオが形成できる。