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防御率6点台と2点台のリリーフ投手が、1対1のトレード。得をするチームはどっち

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・ガルシア Aug 16, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスとフィラデルフィア・フィリーズがトレードを行い、エンジェルスはルイス・ガルシア、フィリーズはホゼ・アルバレスを獲得した。

 彼らは、どちらもリリーフ投手だ。左右こそ違うものの、年齢、MLBの経験年数、FAになる時期、年俸などはほとんど変わらない。ただし、2018年の防御率はまったく異なる。ガルシアは6.07、アルバレスは2.71。この数値からは、アルバレスを手放し、ガルシアを得たエンジェルスが損をするように見える。ここ3年のトータルも、4.27と3.30なので、1点近く違う。

筆者作成
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 けれども、スタットキャストによると、2018年にガルシアが投げた速球(4シームとシンカー)は平均97マイル台、アルバレスは91マイル台を記録した。全球種を合計した空振り率も33.2%と23.4%。ガルシアの方が約10%高い。また、2017年の防御率はガルシアが2.65(71.1イニング)、アルバレスは3.88(48.2イニング)だった。

 もちろん、2人とも好投すれば、どちらのチームにとっても成功したトレードとなるが、やはり、気になるのは防御率6点台に終わったガルシアだ。大谷翔平のいるエンジェルスへ移り、日本でも目にする機会は増えるはず。密かに期待しつつ、来シーズンの登板を待ちたい。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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