菊池雄星のポスティング移籍により、埼玉西武が得る金額は?
ポスティング・システムを利用し、菊池雄星(埼玉西武ライオンズ)がメジャーリーグへ行く。菊池と契約したメジャーリーグの球団は、埼玉西武にポスティング料を支払う。
松坂大輔(現・中日ドラゴンズ)のポスティング移籍に際し、西武(現・埼玉西武)はボストン・レッドソックスから5111万1111ドル11セントを得た。この金額は、ダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)の移籍に伴い、北海道日本ハムファイターズがテキサス・レンジャーズから手にした5170万3411ドルに次ぐ。
ただ、松坂の移籍は2006年のオフ(2006年12月)、ダルビッシュは2011年のオフ(2012年1月)だ。その後、ポスティング料には上限が定められた。田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス→ニューヨーク・ヤンキース)、前田健太(広島東洋カープ→ロサンゼルス・ドジャース)、大谷翔平(北海道日本ハム→ロサンゼルス・エンジェルス)のポスティング料は、いずれも上限の2000万ドルだった。
菊池の移籍で埼玉西武が得るポスティング料は、さらに少なくなるだろう。今オフからは、新ルールが適用される。
選手がメジャーリーグの球団と交わした契約の総額により、ポスティング料は3段階に分かれ、「総額2500万ドル以下=その20%」「2500万ドル超~5000万ドル以下=500万ドル+2500万ドルを超えた分の17.5%」「5000万ドル超=937万5000ドル+5000万ドルを超えた分の15%」となる。この他に「選手が獲得した出来高や行使されたオプションの15%」なども追加される。菊池がマイナーリーグ契約ということはないはずだが、その場合は「契約金の25%」だ。
菊池の契約について、ニューヨーク・ポストのケン・デビッドオフは3年3000万ドル(レンジャーズ)、MLBトレード・ルーマーズのティム・ダーケスは6年4200万ドル(サンディエゴ・パドレス)と予想している。どちらも2番目の「2500万ドル超~5000万ドル以下」に該当し、出来高やオプションを除くと、前者のポスティング料は587万5000ドル(500万ドル+500万ドル×17.5%)、後者は797万5000ドル(500万ドル+1700万ドル×17.5%)となる。仮に、菊池の契約が総額1億ドルであったとしても、ポスティング料は1687万5000ドル(937万5000ドル+5000万ドル×15%)だ。ダルビッシュや松坂のポスティング料はもちろん、田中、前田、大谷の移籍で日本プロ野球の球団が得た2000万ドルにも届かない。