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トランプ大統領の批判どおり、ドジャースの投手交代は「ビッグ・ミステイク!」だった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
S.ピアース(25)がK.ジャンセン(74)から本塁打 Oct 27, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズの第4戦に敗れ、ロサンゼルス・ドジャースは王手をかけられた。先発投手のリッチ・ヒルが好投し、7回表を迎えた時点では4対0とリードしていたが、1死一塁の場面でヒルが降板後、引き継いだ投手たちが抑えられずに1点差とされ、8回表に追いつかれると、9回表は5点を失った。

 ヒルを交代させたことについて、ドナルド・トランプ大統領はデーブ・ロバーツ監督を批判した。そのツイートの最後には「ビッグ・ミステイク!」とある。

 それ以外のさまざまなことも含め、トランプ大統領の言動に賛同するわけではないが、登板したリリーフ投手6人のうち、ライアン・マドソンケンリー・ジャンセンの起用法には疑問が残った。

 先日、「ワールドシリーズ2登板で防御率0.00。ただし、生還させた走者は5人」で書いたとおり、マドソンは第1戦と第2戦のいずれも、前の投手から引き継いだ走者を生還させた。第3戦は打者1人に投げて投手ゴロに討ち取ったが、先の2試合と違い、この時はイニングの頭だった。第4戦は1死一、二塁からマウンドに上がり、最初の打者は二塁フライに仕留めたものの、次の打者にホームランを打たれた。また、ジャンセンは第3戦に続いて8回表から登板し、第3戦と同じく、同点ホームランを喫した。

 ヒルの交代は、打席に左打者のブロック・ホルトがいた――左対左となる――ことからすると早かったかもしれないが、すでに91球を投げていたことを考えれば、「ビッグ・ミステイク!」とまでは言えない気がする。

 試合後の記者会見で、ロバーツ監督はトランプ大統領のツイートについて訊ねられ「チャンネルを合わせ、試合を観てくれてうれしい。ドジャースの試合をどれだけ観ているのかは知らないけど、内情に通じているわけではないと思う。一個人の意見だ」と答えた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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