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読売が日本シリーズ優勝なら、3度目の日本一&監督退任に。では、ワールドシリーズ優勝&監督退任は何度?

宇根夏樹ベースボール・ライター
トニー・ラルーサ OCT 28, 2011(写真:ロイター/アフロ)

 読売ジャイアンツは、高橋由伸監督が退任することを、すでに発表している。だが、チームはクライマックスシリーズのファーストステージを制した。さらに、ファイナルステージも勝って日本シリーズへ進み、そこで優勝する可能性もある。

 これまでに、日本シリーズに進出した監督が退任した例は、11度を数える。そのうちの2度、1954年の中日ドラゴンズ(天知俊一監督)と2014年の福岡ソフトバンクホークス(秋山幸二監督)は、日本シリーズで優勝した。

筆者作成
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 一方、メジャーリーグでも、辞任や解任など理由はさまざまだが、ワールドシリーズで優勝した監督の退任は6度起きている。最近では、セントルイス・カーディナルスの監督を務めていたトニー・ラルーサが、2011年のワールドシリーズ優勝から数日後に、引退を表明した。

 また、「日本一&監督退任」と「ワールドチャンピオン&監督退任」のいずれも、その翌年に新監督の下で頂点に立ったチームがある。2015年の福岡ソフトバンクは、秋山に代わって工藤公康が指揮を執り、日本シリーズ連覇を果たした。オークランド・アスレティックスによる1972~74年のワールドシリーズ3連覇は、最初の2年がディック・ウィリアムズ監督、3年目はアルビン・ダーク監督だった。

 なお、今年の日本シリーズで読売が優勝すれば、「日本一&監督退任」とともに「リーグ優勝を逃しながら日本一」も、同じく3度目となる。こちらは、2007年の中日ドラゴンズ(リーグ2位)と2010年の千葉ロッテマリーンズ(リーグ3位)が成し遂げている。メジャーリーグでは、リーグ優勝したチームがワールドシリーズに進出するので、「リーグ優勝を逃しながらワールドチャンピオン」はあり得ない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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