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正捕手に続いて放出される「大谷翔平のチームメイト」は誰?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とイアン・キンズラー Jul 22, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月26日、ロサンゼルス・エンジェルスは、正捕手のマーティン・マルドナードをヒューストン・アストロズへ放出した。ここからチームを解体し、数年かかる再建をスタートさせるわけではないが、この夏、エンジェルスはさらに選手を手放す可能性がある。

 先発投手のギャレット・リチャーズと正二塁手のイアン・キンズラーは、マルドナードと同じく、オフにFAとなる。リリーフ投手のジム・ジョンソン、控え捕手のレネ・リベラ、控え外野手のクリス・ヤングも同じ。内野の両コーナーを守るルイス・バルブエナも、来シーズンの契約は相互オプションだ。

 ただ、そのなかで最も高く売れそうなリチャーズは、7月にトミー・ジョン手術を受けた。キンズラーは好守こそ健在ながら、打撃は前年に続いて低迷している。

 二塁手の需要はあるものの、キンズラーの人気はそう高くない。トレードの動きが具体化するのは、ブライアン・ドージャー(ミネソタ・ツインズ)やスクーター・ジネット(シンシナティ・レッズ)を入手できなかった球団か、ツインズやレッズの要求する見返りが大きすぎると判断した球団が、次善の策に転じた場合だろう。ちなみに、ドージャーはオフにFAだが、ジネットは来シーズンも保有できる。また、フィラデルフィア・フィリーズは、すでにニューヨーク・メッツからアズドゥルバル・カブレラを獲得した。

 リベラ、ヤング、バルブエナは、控えあるいは準レギュラーに過ぎず、しかも、リベラとヤングは故障者リストに入っている。

 そうなると、エンジェルスがマルドナードに続いて放出するのはジョンソンか。もっとも、ジョンソンも全盛期は過ぎ、ゴロ率は低下している。むしろ、エンジェルスのブルペンでは、ブレイク・パーカーホゼ・アルバレスキャム・ベドロージアンジャスティン・アンダーソンといったところが、他球団からチェックされているようだ。

 パーカーとアルバレスがFAになるのは2020年のオフで、ベドロージアンは2021年のオフだ。アンダーソンは大谷翔平と同じく、今シーズンにメジャーデビューした。だが、この4人の誰であっても、交換条件さえ折り合えば、エンジェルスはトレードに応じるだろう。彼らを手放しても、オフにブルペンを再び整備するのは、そう難しいことではない。

 それにしても、エンジェルスにとって、リチャーズの故障は痛い。リチャーズが投げ続けていれば、トレード市場で売り手に回らずに済んだかもしれないし、現在のようにポストシーズン進出が絶望的になったとしても、リチャーズと交換に将来有望な人材を手に入れることができたはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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