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打球直撃による脳の手術を乗り越え、デビュー戦で7回までノーヒッター

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポンセデリオンはデビュー戦で116球を投げた。出塁させたのは四球による3人だけ(写真:ロイター/アフロ)

 7月23日にメジャーデビューしたダニエル・ポンセデリオン(セントルイス・カーディナルス)が、8回表に代打を送られて降板するまで、7イニングを無安打に抑えた。

 昨年5月9日、AAAの試合で、ビクター・カラティニ(シカゴ・カブス)の放った打球が、ポンセデリオンの右こめかみを直撃した。ポンセデリオンは立ち上がれないまま病院へ搬送され、脳の緊急手術を受けた。一時はキャリアだけなく、生命も危ぶまれた。

 だが、3週間後に退院したポンセデリオンは、今春のスプリング・トレーニングで復帰登板を果たし、開幕後はAAAで好投を続けた。6月のメジャーリーグ昇格時は登板せずにAAAへ戻されたが、2度目の昇格でメジャーデビューを果たした。

 ポンセデリオンのキャップは、マット・シューメイカー(ロサンゼルス・エンジェルス)がかぶっているのと同じモデルだ。内側にカーボン・ファイバーが仕込んである。シューメイカーも2年前に、同じようなアクシデントに見舞われた。

 なお、ポンセデリオンのキャリアが終わりかけた試合に出場していた選手のうち、ポール・デヤングハリソン・ベイダーの2人は、ポンセデリオンのデビュー戦でもプレーした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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