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大谷翔平の前にも、日本でチームメイトだった投手に牽制で刺された日本人メジャーリーガーはいたのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Apr 12 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月11日の8回表、四球で出塁した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、クリス・マーティン(テキサス・レンジャーズ)の牽制球によって刺された。1度目はチャレンジで判定が覆ったものの、2度目はチャレンジもなく、大谷はダグアウトへ戻った。

 大谷とマーティンは、前年まで北海道日本ハム・ファイターズでプレーしていた。大谷の前にも、日本プロ野球でチームメイトだった投手に牽制で刺された日本人メジャーリーガーはいたのだろうか。

 日本時代のチームメイトが、メジャーリーグで打者と投手として対戦したことはある。松井秀喜に限っても、読売ジャイアンツでともにプレーした8人の投手、桑田真澄岡島秀樹上原浩治高橋尚成エルマー・デセンスホセ・パーラダレル・メイジョン・ワズディンと対戦し、ワズディンからはホームランを打った。

 ただ、調べたところ、日本時代のチームメイトに牽制で刺された日本人メジャーリーガーは、大谷以外に見当たらなかった。日本人メジャーリーガーが日本でチームメイトだった外国人選手を牽制球でアウトにしたケースも、見つからなかった(もしかすると、日本の同じチームで同時期に外国人選手としてプレーした投手と走者ならあるかもしれないが、そこまでは調べていない)。

 また、城島健司は2006~09年にシアトル・マリナーズで捕手を務め、牽制球で5人をアウトにしたが、そのなかに日本プロ野球の経験者はいない。これは、盗塁に関しても同じだ。城島は福岡ソフトバンク・ホークス時代のチームメイトだけでなく、後に阪神タイガースでチームメイトになる選手にも、盗塁を決められたことも阻んだこともなかった。ちなみに、城島はマリナーズ時代の4年間に、盗塁阻止率40.0%を記録した。

 なお、大谷とマーティンは、打者と投手としては対戦していない。マーティンがマウンドに上がったのは、大谷が四球を選んだ直後だった。今シーズン、エンジェルスとレンジャーズはあと16試合を行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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