首位打者を獲得したければ、デンバーへ行こう!
ア・リーグの首位打者は、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)とホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)による独占が続いている。2011年以降は、ミギー、ミギー、ミギー、アルトゥーベ、ミギー、アルトゥーベ、アルトゥーベの順に並ぶ。
ナ・リーグでは1998~99年のラリー・ウォーカーを最後に、続けて首位打者になった選手はいない。ただ、ここ5年の首位打者のうち、2015年のディー・ゴードン(マイアミ・マーリンズ)を除く4人は、いずれもコロラド・ロッキーズの選手だ。しかも、この4人はいずれも異なる。マイケル・カダイヤー、ジャスティン・モアノー、DJ・ラメイヒュー、そして、今シーズンはチャーリー・ブラックモンが首位打者を獲得した。
ア・リーグには傑出した2人のベネズエランがいる一方、ナ・リーグでは海抜1マイルに位置するコロラド州デンバーという土地が、首位打者を生んでいる。そう結論づけるのは――リーグ・ベストの打率を記録した選手の力量を軽んじるわけではないが――決して的外れではないだろう。
1993年にロッキーズが創設されてから、25年が経つ。ロッキーズが輩出した首位打者は9人、回数は11度を数える。ウォーカーが3度獲得した以外は1度ずつ。9人のなかに、他チームで首位打者になった選手はいない。また、このスパンで2番目に多いチームは、人数が3人(4度)のシアトル・マリナーズとボストン・レッドソックス、回数は5度(2人)のタイガースだ。どちらも、ロッキーズとは倍以上の差がある。
ロッキーズは打点王の人数(7人)と回数(9度)でも、他を大きく引き離す。首位打者と打点王ほど顕著ではないものの、本塁打王もロッキーズの4人と5度が最も多い。
対照的に、ロッキーズの投手が、最優秀防御率、最多勝、最多奪三振のタイトル・ホルダーとなったことは一度もない。最多セーブも、今シーズンのグレッグ・ホランドが初めてだ。そのホランドにしても、防御率は3.61に過ぎず、これは救援50イニング以上の150投手中86位タイ。ホランドと並ぶ41セーブを挙げたケンリー・ジャンセン(ロサンゼルス・ドジャース)の防御率は、1位の1.32だった。