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スタントンがマーリンズ初のMVPに輝き、受賞者ゼロはあと3球団に。半世紀以上も縁がないのは……

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、G.スタントン、コミッショナー、H.アーロン、J.アルトゥーベ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2017年のナ・リーグMVPに、マイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントンが選ばれた。1993~2011年のフロリダ・マーリンズ時代を含め、マーリンズの選手がMVPを受賞するのは初めてのことだ。これにより、受賞者が一人もいない球団は、ニューヨーク・メッツ、タンパベイ・レイズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとなった。

 レイズとDバックスは、最も新しい球団だ。マーリンズの5年後、1998年にできた。それに対し、メッツの創設は1962年。すでに半世紀以上の歴史を持つ。

 メッツの選手がMVP投票で2位に入ったことは、これまでに3度ある。1969年のトム・シーバー、1984年のキース・ヘルナンデス、1988年のダリル・ストロベリーがそうだ。

 キースはライン・サンドバーグ(シカゴ・カブス)と131ポイント差ながら、シーバーはウィリー・マッコビー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)と22ポイントしか離れておらず、ストロベリーもカーク・ギブソン(ロサンゼルス・ドジャース)より36ポイント少ないだけだった。シーバーはマッコビーと同じく、11人の記者から1位票を得た。

 ただ、2001年以降に1位票を投じられたメッツの選手は皆無。今年は、最も低い10位票を得た選手すらいなかった。メッツはこのまま、レイズとDバックスにも先を越されるのだろうか。レイズはともかく、DバックスにはMVPレースの常連、ポール・ゴールドシュミットがいる。今年の3位だけでなく、ゴールドシュミットは2013年と2015年に2位(2016年は11位)に入っており、ここ5年間の合計733ポイントは、アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)の819ポイントに次ぎ、ナ・リーグで2番目に多い。

 ちなみに、メッツ、レイズ、Dバックスを除く27球団のうち25球団は、ここ30年間に少なくとも一人のMVPを輩出している。それ以外の2球団中、クリーブランド・インディアンズは1953年のアル・ローゼンが最後。カンザスシティ・ロイヤルズの選手でMVPを受賞したのは、1980年のジョージ・ブレットだけだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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