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二刀流選手の起用法。今年のドラフトで入団した2人のプロ1年目は……。大谷翔平の参考になるかも!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(2014年の日米野球より)NOVEMBER 14, 2014(写真:ロイター/アフロ)

 今年6月のドラフトでは、全体4位までに2人の「2ウェイ・プレーヤー(二刀流選手)」が指名され、揃ってプロ入りした。全体2位のハンター・グリーン(シンシナティ・レッズ)と、全体4位のブレンダン・マッケイ(タンパベイ・レイズ)がそうだ。グリーンはノートルダム高校の右投手&遊撃手、マッケイはルイビル大学の左投手&一塁手だった。

 プロ1年目の今シーズン、彼らは投手としても野手としてもプレーした。グリーンはルーキークラスのビリングス・マスタングスで、DHとして7試合に出場し、3試合に先発登板した。マッケイはショートシーズンAのハドソンバリー・レネゲイズで、一塁手として21試合、DHとして15試合、先発投手として6試合に投げた。

 もっとも、グリーンの場合は8月8日~23日がDH、8月27日~9月6日が投手としての出場だった。計10試合に過ぎず、今後に関してまだ断定はできないものの、遊撃の守備につかなかったことからわかるように、レッズは投手に重点を置いている。

 一方、マッケイは野手と投手を交互に務めた。7月16日~29日に一塁手もしくはDHとして10試合に出場後、7月30日に初登板すると、その後は野手出場を2~6試合ずつ(ダブルヘッダーを含む)挟みながら、ほぼ中6日でマウンドに上がった。

 マッケイも試合数は少なく、しかも、メジャーリーグではなくマイナーリーグだ。とはいえ、レイズは二刀流選手の起用について、他球団にはない経験を積んだ。大谷翔平(北海道日本ハム・ファイターズ)がレイズに入団しても、マッケイの例がどれだけ役に立つかはわからないが、まったく無駄ということはないだろう。同じ組織に二刀流選手が2人いることも、互いにプラスに働くのではないか。何より、大谷が入団1年目からメジャーリーグで二刀流選手として活躍すれば、マッケイにとっては大きな道標となるに違いない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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