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「得点ありのトリプル・プレー」の前には松井秀喜、後には城島健司が思い出された

宇根夏樹ベースボール・ライター
トッド・フレイジャーが、ヤンキースでは初の本塁打を放つ Jul 26, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月25日の試合で、無死満塁からトッド・フレイジャー(ニューヨーク・ヤンキース)が放った一打は、トリプル・プレーとなった。ワンバウンドした打球を遊撃手が捕って二塁を踏み、一塁へ送球してフレイジャーもアウトにした。三塁走者はホームインしたものの、二塁走者が二・三塁間に挟まれ、3アウト目が記録された。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、満塁の場面でのトリプル・プレーは1978年以降の40年間で15度目、そのうち得点が入ったのは2006年5月27日と今回の2度だという。11年前の打者は、シアトル・マリナーズの城島健司だった。

 この打席のフレイジャーには、松井秀喜に続き2人目の「ヤンキースのユニフォームを着て出場した最初のホーム・ゲームで満塁本塁打を放った選手」となるチャンスがあった。フレイジャーは7月19日に、シカゴ・ホワイトソックスからヤンキースへ移籍した。ヤンキースは7月14日から23日まで遠征に出ていて、24日は試合がなかった。

 フレイジャーはこの試合で打席に3度立ったが、満塁の場面は2回裏だけ。5回裏は先頭打者としてヒットを打ち、6回裏は2死走者なしから四球を選んだ。

 一方、松井は2003年4月8日に初めてホームでプレーし、最初の2打席はいずれも先頭打者として、それぞれ二塁ゴロと四球を記録した。そして、3打席目にグランドスラムを叩き込んだ。これは、松井がメジャーリーグで打った初の本塁打でもあった。

 松井の場合は、前打者のバーニー・ウィリアムズが敬遠四球で歩かされて満塁となった。フレイジャーの前には、シングル・ヒットが3本続いた。

 フレイジャーは翌日の4打席目に本塁打を放った。ただ、フレイジャーがヤンキー・スタジアムで打った本塁打はこれが初めてではなく、シンシナティ・レッズ時代(2014年7月20日)とホワイトソックス時代(2016年5月14日)に1本ずつ記録している。これらは3本とも、塁上に走者がいない場面で飛び出した。

 ちなみに、フレイジャーはこれまでにグランドスラムを3本打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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