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6月3日は記録のオンパレード。ノーヒッター、600号、1日最多の満塁本塁打…あの投手のピックオフも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョン・レスター(シカゴ・カブス)Jun 3, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

6月3日のメジャーリーグは、記録のオンパレードだった。

この日は15試合が行われ、アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)の600号アーチを含め、7本のグランドスラム(満塁本塁打)が飛び交った。これは1日最多の本数だ。それまでは、2000年5月21日の6本が最も多かった。

ネルソン・クルーズ(シアトル・マリナーズ)の本塁打はソロだったが、この一打はクルーズがマリナーズの選手として打った100本目のホームランとなった。イライアス・スポーツ・ビューローによれば、358試合目のマリナーズ100本塁打は、リッチー・セクソンの463試合目(とアレックス・ロドリゲスの470試合目)を抜き、球団最速だという。

一方、エディンソン・ボルケス(マイアミ・マーリンズ)は本塁打どころか安打をまったく許さず、ノーヒッターを達成した。こちらは、昨年4月21日のジェイク・アリエタ(シカゴ・カブス)以来の快挙だ。

ボルケスと対戦したアリゾナ・ダイヤモンドバックスに限らず、この日に三塁打を打った選手は一人もいなかった。言い換えれば、ボルケス以外の投手も三塁打は打たれなかった。こちらもイライアス・スポーツ・ビューローによると、15試合以上が行われた日に三塁打が出なかったのは、2008年5月27日以来だという。本塁打と二塁打はそれぞれ40本以上を数えたが、ホームランはすべてフェンスをオーバーし、二塁打を三塁打にしようとしてアウトになった選手もいなかった。

また、ジョン・レスター(カブス)はピックオフで一塁走者をアウトにした。左投手ながら、レスターは牽制(と捕球後の送球)を苦手にしており、2012年以降の5シーズンに決めたピックオフは、2015年9月20日の1度しかなかった。

リグリー・フィールドの観客は、スタンディング・オベーションでレスターを称えた。ツイッターでは「レスターを見くびるな」(MLB)、「ジョン・レスターが一塁走者を刺した。どんなことだって可能なんだ」(ロバート・メイズ)、「カブスが108年ぶりにワールドシリーズを制覇するのに立ち会った。それよりも感動的だったな、ジョン・レスターのピックオフを目撃するのは」(デーブ・ミスカ)などのコメントが飛び交った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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