始球式で投げたボールは、両チームの先発投手よりも速かった!? ビッグ3最後の競演
9月26日に実現した元ビッグ3の投げ合いは、かつての雄姿を彷彿させるような投手戦にはならなかった。
(ビッグ3と彼らのマッチアップについては「アスレティックスでハドソン、マルダーと「ビッグ3」を形成したジートが、カムバックに向けて好投中」と「ハドソンのラストダンスにふさわしい相手は、ともにA'sで「ビッグ3」として投げたジートだ」で書いた)
バリー・ジート(オークランド・アスレティックス)は立ち上がりから2イニング続けて2点ずつを失い、3回表にバスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)を歩かせたところでマウンドを降りた。一方、ティム・ハドソン(ジャイアンツ)は初回こそ無失点に抑えたものの、2回裏に押し出し四球(2度)と押し出し死球で3点を与え、ライアン・ボーグルソンと交代した。
今シーズン限りの引退を表明しているハドソンと違い、ジートは去就を明らかにしていないが、これがメジャーリーグ最後になる可能性もある。40歳のハドソンよりは年下とはいえ、ジートもすでに37歳だ。ハドソンもジートも、降板時にはコロシアムの観客からスタンディング・オベーションを受けた。
この試合には、もう一人の元ビッグ3、マーク・マルダーも球場に駆けつけた。しかし、始球式に登場したのはマルダーではなく、NBA選手のクレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)だった。サンフランシスコ・クロニクル紙のジョン・シェイは、こうツイートした。「レーダーガンによる初球の計測:バリー・ジートは85マイル、ティム・ハドソンは87マイル、クレイ・トンプソンは89マイル」
トンプソンの89マイルはジョークだろうが、彼は25歳。父のマイカルと兄のマイケルもNBAでプレーし、今年8月には弟のトレイスがシカゴ・ホワイトソックスからメジャーデビューした。トレイスは2ヵ月足らずで5本塁打を放っていて、30安打の半分が長打だ。
ビッグ3は2004年を最後に解散した。この年、アスレティックスで投げた17投手のうち、ハドソンとジートの他に現役選手として残っているのは、当時メジャーリーグ1年目だったサンティアゴ・カシーヤ(ジャイアンツ)とジョー・ブラントン(ピッツバーグ・パイレーツ)だけだ。19人いた野手も、ニック・スウィッシャー(アトランタ・ブレーブス)とエステバン・ヘルマン(オリックス・バファローズ)以外はプレーしていない。
マルダーは翌27日、ハドソンとジートとともに、始球式で3人揃ってボールを投じた。