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秋篠宮さま58歳のお誕生日 親しいジャーナリストが語る「これからの課題」とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
秋篠宮さま(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

11月30日、秋篠宮さまが58歳のお誕生日を迎えられた。コロナも落ち着き、皇室の活動も通常どおり行われるようになってきたが、今、皇嗣としてどのような思いを抱いていらっしゃるのだろうか。

そこで、秋篠宮さまと30年以上にわたって交流し、『秋篠宮』(小学館)の著者でもある、ジャーナリストの江森敬治氏にインタビューした。

◆令和皇室の皇嗣として

今年に入って秋篠宮さまは地方ご訪問も増え、紀子さまとともにイギリス、ベトナムと2回の外国訪問を務められた。皇嗣である秋篠宮さまは、令和の皇室でどのように兄天皇陛下をお支えし、協力されるのだろうか?

「皇嗣という立場で、天皇陛下をお支え、お助けするため、自分はどう動いたら良いのかなど、いろいろ模索されていらっしゃると思います。コロナ禍で、令和になってから皇室活動が十分にできなかったわけですから、来年、再来年と、さらに活動が本格化されると思います」(江森さん)

令和皇室のため、ご自分がどのように関わり、役割を果たしていくことが最善なのか、秋篠宮さまはお考えを巡らせていらっしゃるのだろう。

江森さんは、令和の皇室は天皇ご一家と秋篠宮ご一家とのチーム力で作り上げていくのが望ましいのではないかと話す。そのために、次のような課題を指摘する。

「天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻との交流を、もっと活発にしていただきたいと思います。例えば天皇陛下と秋篠宮さまの兄弟懇談の場を定期的に設けるなど、具体的なやり方を宮内庁は前向きに考えてもらいたい。その場に皇后さまや紀子さまが加わり、ざっくばらんに意見交換をなさっても良いと思います。意思が疎通できる機会を是非、増やしてほしい」(江森さん)

平成のころは、上皇さまと陛下、秋篠宮さまが定期的に集まり、三者会談が行われていた。お互いに顔を合わせて率直に意見を交わせば、交流も深まって、ともに目指すべき方向性が明確化してくるものだ。

しかし、令和になってからは、陛下と秋篠宮さまがそうした話し合いの場を持たれたという話を聞かない。これまではコロナ禍もあって行うことができなかったのだと思うが、ご夫妻で参加する形で定期的に交流する機会を設ければ、今後、諸課題の解決などがかなりスムーズになるのではないだろうか。

◆皇室の情報発信

ここ数年、秋篠宮さまのお誕生日に際しての記者会見で、皇室の情報発信が課題となってきた。正確な情報をタイムリーに出していくというお考えが示されてきたものの、今年は秋篠宮邸の改修費や佳子さまの一人暮らしを巡って、国民の間で批判の声が高まった。

その原因は、説明が十分でないことのように思えるのだが、どのように受けとめているのだろうか?

「やはり情報発信の仕方に問題があるのだと思います。宮内庁がタイムリーに正確な情報を出していれば、多くの国民やマスコミに誤解されることはなかったように思います。秋篠宮家の次女佳子さまのペルー訪問などの活躍が大きく報道され、秋篠宮家は注目されているわけですから、国民の疑問に適切、親切に答えるという姿勢がより必要になると感じます。国民目線に立ち、広報体制や情報発信をもっと強化することを宮内庁は真剣に考えないといけないと思います」(江森さん)

皇室の方々の情報をどのように発信し、国民に伝えていくかは、宮内庁の大きなテーマだ。今は発信される情報が少なく、皇室の方々がどんなお人柄なのかなどが、国民から見てよく分からないように思う。

人間的にどんな方なのかが分かる情報がたくさん発信されると、皇室の方々のお人柄に触れて親近感を持ち、もっと身近に感じることができるのではないだろうか。

◆悠仁さま、佳子さま、秋篠宮家の今後

皇室の中で注目の20代というと、秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さまと両陛下の長女・愛子さまだ。去年、お二人はご一緒に雅楽演奏会を鑑賞されたり、今年は佳子さまの案内で天皇ご一家が日本伝統工芸展を鑑賞されたが、お互いに連絡を取り合っているのだろうか?

「連絡方法など、実際のところは分かりません。でも、佳子さまにとって愛子さまは、妹のような大切な存在だと思います。姉妹がいない愛子さまにしたら、佳子さまはきっと姉のような頼りになる存在なのでしょう。お二人は幼稚園から高校まで、同じ学習院で学びました(愛子さまは大学も学習院大学)。学校の先輩、後輩でもあるわけですから、共通する話題も多いと思います」(江森さん)

来年は秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまが18歳を迎えられ、成年式は再来年に行われることが発表されている。佳子さまもペルーご訪問での報道量の多さからも分かるように、皇室の中で常に注目される存在だ。

最近ではネットを中心に秋篠宮家への批判が強まっているが、どのようにしたらこの流れを変えることができるのだろうか?

「秋篠宮ご一家は地道に活動を続け、これまで以上に実績を積み重ねていくことが大切だと思います。天皇、皇后両陛下を支え、助けしながら、令和の皇室を盛り立てて行くのはこれからが本番です。大いに期待したいと思います」(江森さん)

令和5年、ようやく皇室のご活動も元通りになり、動き始めた令和の皇室。天皇陛下に次ぐ皇嗣が、重要なお立場であることは言うまでもない。これからも秋篠宮さまへの注目度は、さまざまな意味で高まることだろう。

「『佳子さまペルーご訪問』気になるギモン 飛行機の座席のグレードは?宿泊するホテルは?ご本人の希望は」

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6b973946daf654082306f13f47b88feb4efc38b9

「まだまだ国宝級の美術品が眠っている!? 皇室の名宝ひしめく『皇居三の丸尚蔵館』」

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4a032775325a1288bf73fab8bfa281efc388d314

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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