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お正月に雅子さまのティアラがない!? 皇室おっかけおばちゃんが気づいた配慮

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
天皇皇后両陛下(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

〇おっかけ28年の目線から見た雅子さま

 令和になってから、今年5月1日で3年目を迎える。皇后になってから雅子さまが生き生きとした笑顔になられ、優しい表情で日本中を包み込んでくれているように思う。

 28年前から雅子さまを撮り続けてきた、“皇室おっかけおばちゃん”の白滝富美子さん(80歳)は、ファインダー越しに前向きな変化を感じ取っていた。

「令和になって明らかに、雅子さまの表情が明るくなりましたね。頑張ろうという気持ちがにじみ出ているのを感じます」

と、白滝さんは語る。

 また、同じ日でも、雅子さまの表情が微妙に違うことを指摘する。

 天皇陛下が即位した2年前は、宮中での諸行事のため、雅子さまが皇居に入られることが多くなり、そのたびに白滝さんはシャッターチャンスをねらって半蔵門の前でカメラを構えていたとか。

「皇室の行事がある日は午前中に皇居に入られるのですが、雅子さまの表情は少し緊張されています。しかし、無事に行事を終えて皇居から出る時は、安堵してホッとした顔になっていらっしゃいます」

 さらに白滝さんは、こんな点にも気づいていた。

「天皇陛下の表情は、どんな時も変わりありません。やはり陛下は小さい頃からそのお立場として育ってこられたからでしょう。一方、雅子さまは、結婚されてから、大勢の人に見られるという経験をされましたので、慣れるのが大変でいらっしゃったと思います」

〇皇后になってから3つの明るい変化

 雅子さまが皇室に嫁ぐ直前からおっかけを始めた白滝さんは、皇后になられてから3つの明るい変化に気づいたという。その一つが髪型だ。

「今の雅子さまのまとめ髪、エレガントでよくお似合いですよね。髪をまとめるようになられたのは、前向きなお気持ちの表れだと思います。やはり女性は、体調が悪い時に髪を触られるのは嫌なものですから」

 以前の雅子さまは帽子を被る時は髪をまとめていたが、普段は長い髪をそのまま下ろしていらっしゃることが多かった。しかし、皇后になってからは帽子を被らない時も、上品なまとめ髪にされることが多くなった。

 また、雅子さまのメイクにも変化が表れているという。

「昔に比べて、眉毛が変わりました。結婚当初は細い眉でしたが、ここ数年は太めではっきりした眉を描かれるようになりました」

 白滝さんによると、眉が太いほうが、顔がはっきりして写真写りがいいそうだ。女性はその日のメイクに自ずと心境が出てくることが多いので、強い意志を表す太い眉は自信が出てきたサインなのかもしれない。

 そして、ご夫婦あるいはご家族でお出ましになる際、さりげなく洋服の色を合わせていることも、余裕が出てきた証しだろうと白滝さんは言う。洋服の色合わせには、あらかじめ陛下や愛子さまと相談して準備する必要があり、それだけ雅子さまのご体調が整ってきたともいえるだろう。

 また、白滝さんが同じ女性の立場から注目したのは、皇后になってから雅子さまの着物姿が復活されたことだ。

「以前は着物をよくお召しになっていましたが、療養に入ってからはほとんど見ることができませんでした。着物は帯で締めるので、着られるようになったのは体調が良いからなのでしょう。雅子さまは着物姿も気品があります」

〇お正月も雅子さまをおっかけて

 今年1月1日も、白滝さんは朝早くから半蔵門の前で待っていた。この日、皇居宮殿で行われる新年祝賀の儀には、女性皇族がティアラを着けて出席されるのが恒例となっている。雅子さまの写真の中でも、ティアラを着けたお姿は格別な美しさを放ち、ぜひとも撮りたい瞬間だった。

 雅子さまを乗せた車が現れ、白滝さんはカメラを構えたが、予想外の事態が。

「えっ、ティアラが見えない」

と、思わず驚きの声をあげた。いつものように雅子さまは笑顔で手を振ってくださったのだが、その頭上にティアラはなかった。実は、雅子さまはじめ女性皇族は、コロナ禍で多くの国民が苦労していることを考慮し、ティアラの着用を控えられたのだった。

 その時、白滝さんが感じたこととは―

「ティアラを着けるためには美容師さんに接触しますし、こういったコロナの状況なので国民の思いを慮り、皇后である雅子さまがやめることを判断されたのだと思います。その的確な判断から、雅子さまのご体調が戻られたことが伝わってきて、嬉しくなりました」

 今年2月23日の天皇誕生日には、朝一番に白滝さんを駅まで娘さんが車で送ってくれるなど、家族もサポートしている。

「雅子さまは、私にとって生きがい。雅子さまの笑顔を見ると、日頃の疲れが吹き飛びます。あと何年できるか分からないけれど、30年はおっかけたい」

と、白滝さんはワクワクしながら語った。

続編記事:「陛下と雅子さま『お元気ですね』皇室おっかけおばちゃん、2年前のまさかの出来事」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20210323-00226443/

「雅子さまが1分間の粋な計らい 皇室おっかけおばちゃん明かす心通わせた瞬間」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20210324-00226449/

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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