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一回り以上年上の妻との離婚を真剣に考えています(「スナック大宮」問答集31)

大宮冬洋フリーライター
7年間でのべ2000人と飲み交わしてきたスナック大宮のこぼれニュースコラムです(写真:アフロ)

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに110回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

 初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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「20代半ばで一回り以上年上の妻と結婚しました。最近になって私は仕事などに自信がついてきましたが、妻のほうは後ろ向きな発言が多くなっています。このまま一緒にいるべきなのか真剣に悩んでいます」(30代後半の既婚男性)

中年の我々に必要なのは、身だしなみとチャレンジ精神です

 この男性がスナック大宮に来てくれたとき、同じく参加者のアラフォー女性たちの間で歓声と嘆息が連続で起きた。20代半ばのときに一回り以上年上と言えば、相手は40歳前後である。近年は、男性だけでなく女性も「できれば年下と恋愛して結婚したい」という本音を抱えている人が多い。特に30代半ば以降に見られる現象だ。

 自立して働く女性は「できれば結婚したいけれど、好きでもない人とは一緒に暮らせない。無理なことをするぐらいなら独身のままで構わない」と思っている。周囲にも「先達」が増えているため、将来にそれほど不安はないのだろう。

 働いているうちに中年になると、見た目や雰囲気の個人差が広がっていることに気づく。学生時代よりも若々しく爽やかな人もいれば、不健康に老け込んでしまう人もいる。前者の大半は既婚者だったりする。結婚をしたい人の目線は、男女ともに年下の独身者に向きがちなのだ。

 年下の相手は、見た目はキレイなので恋愛感情は持てるし、未熟な部分は「若いから仕方ない」と許せる。愛情を注ぎ、彼/彼女が少しずつ立派になっていくのを見守るのも楽しい。

 問題は自分のほうにある。最初から、もしくは途中から相手の若さに引け目を感じていると、悲しい結末になってしまいかねない。

 身だしなみを整えることは必要だが、一番大切なのはチャレンジ精神だと思う。現状に安住せず、真剣かつ楽しそうに何かに取り組む姿は美しい。その人の近くにいると、様々な良きものが入ってくる気がするし、常に前進する姿勢には畏敬の念を覚える。

 冒頭の男性もかつては妻を尊敬していたはずだ。いつの間にか「追い抜いてしまった」と感じて戸惑っているのだろう。キレイ事に聞こえるかもしれないが、しばらくは彼女が再び前向きになれるように支援してみたらどうだろうか。仕事に行き詰まっているならば、転職を促してもいい。環境が変われば、妻はまた輝きを取り戻すかもしれない。今のあなたならば支える余裕もあるはずだ。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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