「好みのタイプ」はありません。私を好きでいてくれる男性と付き合いたい(スナック大宮問答集その13)

5年間でのべ1400人と飲み交わしてきたスナック大宮のこぼれニュースコラムです

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに70回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

 初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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好きなタイプが明確ではないと自認する人は2つの種族に分けられる

「婚活中ですが、『好みのタイプ』は特にありません。私のことを好きでいてくれる男性と付き合って結婚したいです」(30歳の独身女性)

 この意見を聞かせてくれたのは、小柄で可愛らしい雰囲気の女性である。好奇心も行動力もあるけれど、自分の話をしまくる人ではない。どちらかと言えば聞き上手で、男性から引っ張ってもらいたい気持ちが伝わってくる。

 好きなタイプが明確ではないと自認する人は2つの種族に分けられると思う。1つは、めったに異性を好きにならない人。「好きなタイプは明確ではない」のではなく、「好きなタイプが変に偏っていて、しかもそのことを自覚していない」のだ。だから、ごくたまに激しい片想いをすることもあるが、経験不足からくる子どもっぽい「直感」頼みでの恋愛だったりする。相手は、傲慢で身勝手なだけの遊び人や、こちらにはまったく興味がない人の場合が多い。ちょっと不毛だ。

 この種族の場合は、まずは「自分が好きなタイプ」をちゃんと自覚する必要がある。片想いを含めた過去の恋愛を振り返れば明らかだろう。そして、そのままで自分は幸せになれるのかを真剣に問いたい。もしも「このままでは不毛な恋愛ばかりを繰り返すだけで、心安らげるパートナーは見つけられない」と感じたら、その時点で「自分が好きなタイプ」は変化もしくは範囲が拡大する。それは有意義なことだと思う。

たいていの異性を好きになれるなら、3カ月以内に恋人ができる

 もう1つの種族は、たいていの異性を好きになれる人だ。彼らの感覚をあえて言葉にすると、「自分の年齢のプラスマイナス10歳ぐらいの人のうち、3割ぐらいとはお付き合いできる。さらにそのうち3割とは結婚できる」である。

 正直に言って筆者もこの種族に属するので、「節操がない」とは言われたくない。江戸時代の村社会を想像してほしい。生活範囲は今よりもはるかに狭く、ネット婚活などはもちろんない。そもそも人口が少ないので、結婚の対象になる独身の異性などは周囲に10人ぐらいしかいなかっただろう。結婚したら明らかに不幸になりそうな異性や生理的にどうしても無理な異性はそれとなく避けて、「他の人ならたいてい大丈夫。いい家族になれる」という心構えでなければ、結婚などは一生できなかったはずだ。

 冒頭の30歳女性には「こだわり」や「意固地さ」は感じられなかった。おそらくこの第二種族に属する女性なのだと思う。だとしたら、3カ月以内に恋人ができると筆者は断言したい。

 30歳ならば中高大の「学校つながり」でも独身の男性はまだたくさんいるし、職場にも同世代の独身者はいるはずだ。まずはその人脈を洗い直す。加えて、合コンなどの機会にも積極的に参加する。なんらかの形で自分とつながっている人たちなので、「人としてありえない」と感じる極悪な男性などは少ないだろう。この時点でスクリーニングができていることに留意したい。

 この「周囲にいる独身男性」のうち、3割は「一目惚れと言うほどじゃないけれど生理的に無理じゃない」と感じるはずだ。その感覚を大事にしてほしい。気軽に連絡先を交換し、食事に誘い、会話を楽しもう。自然な好意はなんとなく伝わるものだ。今度は相手がデートに誘ってくれるかもしれない。そうなったら交際はほとんど成立している。

運命の人などはいない。「生理的に無理ではない3割」を選ぶ

 気をつけたいのは「他にもっといい人がいるんじゃないか」と思って足踏みすること。人はすべて一長一短がある。完璧な結婚相手などありえない。素敵な異性に目移りしそうになったら、その人もやはり「異性のうちで、生理的に無理ではない3割」であると割り切ろう。「本当は巡り合うべきだった運命の相手」などではない。そして、素敵な人が誘ってくれたとしても、自分は同じく「3割」に過ぎない可能性が高い。

 来月中に出会う人の誰かとデートして、問題なさそうだったら付き合ってみる。友人や恩人や親にも紹介する。全員から大反対を受けたりしなければ結婚しよう。結婚してみてどうしてもダメなら離婚すればいい。アラサーの人の場合、こんな軽い気持ちで異性に向き合えば婚活に多大な労力と時間を費やす必要はなくなる気がする。

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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