誰も教えてくれない上手な生命保険料控除の受け方。あなたも「勘違い」から損をしていませんか?

たとえ数千円でも戻るとうれしい!(写真:ideyuu1244/イメージマート)

相談業務の中で実際にあったケースですが、勘違いから、長年にわたって生命保険料控除を十分に受けていなかった方がいました。あなたは大丈夫でしょうか。

●誰も教えてくれない!?生命保険料控除

生命保険料控除は、保険料に応じて一定額を所得から差し引ける「所得控除」です。年末調整や確定申告でなじみがあるという方も多いでしょう。

「毎年ちゃんと手続きをしてきた」という40代の会社員Aさん。年末調整で例年通り手続きをしていたものの、実は、受けられるはずの生命保険料控除を使い切っておらず、それによって数年にわたって損をしていたという例です。

Aさんの勘違いの原因を整理すると、次の3点が挙げられます。

・生命保険料控除に「新制度」と「旧制度」があることをよく理解していなかった

・新旧両方の契約がある場合は、「新制度」の上限まで利用できると知らなかった

・誰も教えてくれなかった

保険加入時に、保険代理店から「保険料控除の対象になる保険です」といった説明はあっても、通常、どのような控除を受ければ一番有利になるかまでのアドバイスはありません。そのため、Aさんは長年、「旧制度」の保険料控除だけを受け続けてきたのです。

●生命保険料控除には「旧制度」と「新制度」がある

生命保険料控除は、2011年12月31日までの契約は「旧制度」、2012年1月1日以降の契約は「新制度」が適用されます。どちらの適用かは、郵送されてくる生命保険料控除証明書に記載されています。

「旧制度」と「新制度」の上限額の違いは次の通りです。

【旧制度】(2011年12月31日まで)

・一般生命保険料控除 上限:所得税5万円 住民税3.5万円

・個人年金保険料控除 上限:所得税5万円 住民税3.5万円

・合計 上限:所得税10万円 住民税7万円

【新制度】(2012年1月1日以降)

・一般生命保険料控除 上限:所得税4万円 住民税2.8万円

・介護医療保険料控除 上限:所得税4万円 住民税2.8万円

・個人年金保険料控除 上限:所得税4万円 住民税2.8万円

・合計 上限:所得税12万円 住民税7万円

新制度では、「一般」「医療介護」「年金」と3つに細分化され、個々の上限額は「旧制度」の8割、所得税4万円、住民税2.8万円となりました。「新制度」の合計の上限額は、所得税4万円×3=12万円ですが、住民税の上限額は「旧制度」と変わらず7万円のままです。

(生命保険文化センター資料より筆者作成)
(生命保険文化センター資料より筆者作成)

●新旧の契約がある場合、合計の上限は新制度の額まで

Aさんがそうであったように、「旧制度」と「新制度」の両方の契約がある場合、生命保険料控除の合計の上限額は「新制度」の上限まで利用できます。つまり、所得税で12万円、住民税で7万円です。

Aさんは、このことを知らずにいたため、本来なら受けられた生命保険料控除を満額で受けずにきたのです。

<Aさんが支払っていた保険料(年間)>

・終身保険、収入保障保険 約12万円(旧制度)

・個人年金保険 約15万円(旧制度) 

・医療保険 約8万円(新制度)

→ 一般保険料控除 所得税5万円、住民税3.5万円

→ 個人年金保険料控除 所得税5万円、住民税3.5万円

→ 合計 所得税10万円、住民税7万円

本来は・・・

→ 新制度の保険も含め、合計で所得税12万円、住民税7万円まで受けられるので、医療介護保険料控除を所得税2万円まで受けられる!

住民税は上限まで控除を受けていたため、追加で受けられるのは所得税の控除2万円まででとなります。しかし、2万円の控除が増えることで、Aさんが確定申告を行えば、所得税率20%だった場合で4000円の還付が受けられます(還付できる所得税がある場合)。5年分同時に手続きをすれば、2万円の還付となります。

●抜けがあったらさかのぼって確定申告を

本来受けられたはずの過年度分の生命保険料控除があった場合、5年間はさかのぼって控除を受けられるので、確定申告を行うといいでしょう。

生命保険料控除証明書を処分または紛失してしまった場合でも、保険会社で再発行してもらえるので、手続きをしてみては? 

マイナンバーカードがあれば、スマホやPCからでも確定申告できます。

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