あの有名映画の舞台となった開業25周年パーク ハイアット 東京が果たした3つの偉大な役割と美食フェア
観光大国・日本へ
来るべきビッグイベントといえば、何を思い浮かべますか。
今年であれば2019年9月20日に開幕するラグビーワールドカップ2019日本大会、来年であれば2020年7月24日に開会式が行われる東京五輪でしょう。
日本の観光業はますます盛り上がってきており、2018年には年間で初めて訪日外国人が3000万人を超え、世界中から多くの人が日本に訪れるようになりました。
観光大国・日本として、2020年に訪日外国人4000万人を迎えるにあたり、東京で3500室、札幌、名古屋、福岡で合計7000室が新たに必要となるなどホテル不足が深刻になっています。
外国ブランドのホテル開業
訪日外国人からすると、名前を知っており、日頃から親しんでいる、外国ブランドのホテルに馴染みがあるものです。
今でこそ日本には、欧米はもちろん、アジアからもラグジュアリーホテルが上陸しており、おしゃれなブティックホテルも広がりをみせていますが、一昔前まで外資系の高級ホテルは多くありませんでした。
最初に訪れた転機は、1963年の東京ヒルトンホテル開業です。翌1964年に開催される東京五輪のために、1962年にホテルオークラ、1964年にホテルニューオータニが誕生しました。
現在では、東京ヒルトンホテルはヒルトン東京として西新宿に移っており、東京ヒルトンホテルが位置していた場所には、東急ホテルグループのフラッグシップであるザ・キャピトルホテル 東急があります。
ホテル新御三家
次に大きなインパクトを与えたのは、ホテル新御三家の誕生です。
1992年1月16日にフォーシーズンズホテル椿山荘 東京(2013年1月1日からホテル椿山荘東京)、1994年7月9日にパーク ハイアット 東京、1994年10月14日にウェスティンホテル東京がオープンし、ホテル御三家である日本系ホテルの帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニと対比する形で、ホテル新御三家と呼ばれるようになりました。
パーク ハイアット 東京とウェスティンホテル東京は今年で開業から25周年を迎えますが、新しく上陸してきた外資系ホテルと比べても、全く古さを感じさせません。
そして、この25周年を記念し、パーク ハイアット 東京では様々な魅力的な食のプロモーションを行っており、さらに飛躍しようとしています。
パーク ハイアット 東京が果たした偉大な役割
パーク ハイアット 東京はミシュランガイドでも5レッドパビリオン(最高評価の5つ星+)を獲得したり、ホテルランキングで常に上位にランクインしたりするなど、客観的に評価されているホテルです。
しかし、それだけではありません。
日本において、パーク ハイアット 東京が果たした偉大な役割があるのです。
タワー高層の非日常
パーク ハイアット 東京はパークタワーの1階と2階、そして上層階の39階から52階に入居しています。
今でこそ、ストリングスホテル東京インターコンチネンタル(以前はストリングスホテル東京、2003年5月20日オープン)、マンダリン オリエンタル 東京(2005年12月2日オープン)、ザ・リッツ・カールトン東京(2007年3月30日オープン)、ザ・ペニンシュラ東京(2007年9月1日オープン)、シャングリ ラ ホテル 東京(2009年3月2日オープン)と、高層タワーの上層階に位置するホテルは数多くありますが、当初は非常に画期的でした。
ビルに入ってすぐにホテルのロビーへと通じることはなく、エレベーターに乗って気持ちが高められてから非日常への扉が開きます。こういった感覚はとてもセンセーショナルだったのです。
タワー高層で非日常を演出し、ホテルは特別な異空間であることを知らしめたのがパーク ハイアット 東京であるといってよいでしょう。
アートとの融合
アートも非常に重要なところです。
パーク ハイアット 東京のいたるところにアートとの融合がみられ、ホテルでの体験をより高尚なものへと昇華させています。
正面エントランスに飾られた結城美栄子氏の「ガッツィー」に始まり、エレベーターホール手前にある「タイムレス」をコンセプトにしたさりげない演出、41階「ジランドール」に飾られたヴェラ マーサー氏の144枚の人物写真、その先にある2000冊の本が紡ぎ出す空間と、このどれもがアーティスティックなのです。
2004年4月17日に日本で公開された「ロスト・イン・トランスレーション」(Lost in Translation)が大ヒットしましたが、パーク ハイアット 東京の知的で洗練された雰囲気をまとっていなければ、物語中における重要シーンの情緒感を表現できなかったのではないでしょうか。
こういったアートとの融合が、ただ豪奢を極めた高級ホテルとは違い、心に深く銘記されるのです。
ホテルレストランのプロポーズ
最後はプロポーズです。
52階にある「ニューヨーク グリル」はレストランガイド本「ザガット サーベイ 東京のレストラン」(2013年版をもって終了)で5年連続1位を獲得したこともあるファインダイニングです。
モダンで琴線に触れるグリルを中心とした料理はもちろんのこと、圧倒的な空間や高層階からの眺望、きびきびとして凛としたサービスがゲストの心を掴んで離しません。
プロポーズに成功するレストランとしてもよく紹介され、非日常的なホテルのレストランでプロポーズすること、もしくは、プロポーズされることが憧れとなりました。
パーク ハイアット 東京「ニューヨーク グリル」の存在によって、ホテルレストランのプロポーズが素敵なものであると認識されたといっても過言ではありません。
25周年記念のプロモーション
特筆するべき点を紹介したところで話を戻しましょう。
パーク ハイアット 東京では、2019年7月9日に迎える開業25周年を祝し、「JUBILEE at THE PARK ~ where our stories continue (ジュビリー アット ザ パーク)」と題して、様々なプロモーションを開催しているので詳しく紹介します。
ちなみに「JUBILEE(ジュビリー)」とは、25年、50年などの節目における記念日や記念祭を意味する英語です。
梢
2019年3月18日から4月9日にかけて、日本料理「梢」では「マスターズ オブ フード&ワイン 2019 日本ワインと春の滋味 ~ 九州産スペシャルセレクション」が開催されました。料理長を務める大江憲一郎氏が自ら九州に訪れてワインをテイスティングし、食材を吟味して料理を創り上げたのです。
昨年2018年10月30日から適用されたいわゆる日本ワイン法によって、ますます日本のワインが注目されていますが、山梨、長野、北海道、山形といった生産量の多い地域ではなく、まだ歴史は浅いものの知る人ぞ知る名門ワイナリーがある九州の都農ワイン、熊本ワイン、安心院葡萄酒工房に焦点を当てたところが、よいものを知悉するパーク ハイアット 東京ならではのセレクションではないでしょうか。
ジランドール
2019年4月17日から21日にかけて、市塚学氏がシェフを務める「ジランドール」では本場パリで絶大な人気を誇るジル ヴェロ氏によるシャルキュトリーが提供されています。
ヴェロ氏は1930年から代々続くシャルキュティエ(肉加工職人)の家に生まれ、父親はM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を獲得しているほどです。
パリに4店もの「メゾン ヴェロ」を構え、「パテ オン クルート」「パテ グランメール」「ジャンボン ド パリ」「トルテ メゾン ヴェロ」といったシグネチャーメニューがあります。
日本でもシャルキュトリー(食肉加工品)という言葉が既に浸透していますが、これだけ本場のシャルキュトリーを東京にいながらにして体験できる機会はそうそうないでしょう。
ピーク バー
「ピーク バー」では2019年4月15日から24日にかけて「スプリング トワイライトタイム」が開催されています。
人気メニューである通常の「トワイライトタイム」をアップグレードさせ、シェフがカウンターでサスティナブルシーフードやハーブを使った爽やかなセヴィーチェを提供し、優雅な黄昏時を楽しめるのです。
デリカッセン
「デリカッセン」では2019年3月21日から4月21日にかけて、花見やポットラック(持ち寄りパーティー)といった和やかな集いを一層盛り上げる「ピクニックバスケット」を用意しています。
サンドウィッチ、サラダ、キッシュ、オリジナル巻き寿司、ベジタブルチップス、さらにはフルーツやボトルワインまでもが一式になっており、パーク ハイアット 東京らしい豪華なバスケットに仕上がっているといってよいでしょう。
ニューヨーク グリル
そして、ステファン へアット氏がシェフを務める「ニューヨーク グリル」では、2019年4月24日から28日にかけて、「世界のベストレストラン50」に9回もノミネートされ、ミシュランガイドで3つ星、ゴ・エ・ミヨで最高評価の20点を獲得したオランダ出身のセルジオ ハーマン氏とコラボレーションを行っています。
特別ディナーコースに加えてアラカルトも提供されているので、好みに応じて選ぶとよいでしょう。
ハーマン氏は世界的にも注目されている料理人で、オランダのスロイスに「Oud Sluis」をオープンした後、現在ではオランダ国内に「Pure C」「AIRrepublic」「Blueness」、ベルギーに「The Jane」と4店のレストランを開業するに至っています。
今年3月には共同経営者を務めるブリュッセルの「Frites Atelier」がオープンするなど、クリエイティビティ溢れる料理人としてはもちろん、才覚あるビジネスパーソンとしても名高いのです。
特筆するべきプロモーション
どのプロモーションも非常に注目するべきものですが、その中でも特にハーマン氏の招聘フェアは出色でしょう。
ハーマン氏はテレビにもよく出演するスターシェフであり、エネルギッシュな探究心をもとに、来日前にアジア諸国を巡り、各地の食文化から得たインスピレーションも散りばめながら、パーク ハイアット 東京のアニバーサリーイヤーイベントの料理を創り出しました。
「パーク ハイアット 東京に招かれ、日本の方々に私のスタイルを披露できることを心から嬉しく思います。このホテルの偉業に携わる夢のような機会をいただき光栄です」と喜びを表しています。
では、ハーマン氏が生み出した料理はどういったものなのでしょうか。
ディナーコース
ハーマン氏のディナーコースは以下の通りです。
- 酢橘 蟹 アボカド 生姜 百合根
- 大根のサラダ ハマチ ボタン海老 出汁
- ニューサマーオレンジ アスパラガス 海藻 海胆 キャビア
- 北海道産帆立貝 椰子の芽 エノキ バーベナブールブラン
- 熊本プレミアム和王サーロイン ”スーヴェニール ドゥ トーキョー”
- ルビー プラム 麹 さくらんぼ
- コーヒー
酢橘、百合根、ボタン海老、ウニ、和牛、麹など日本の食材がふんだんに使われていながらも、ヤシやアボカドを合わせており、想像のつかない新しい料理となっています。
アジアを巡ってきたというだけあって、西洋と東洋のインスピレーションから生み出されたコースであるといってよいでしょう。
タイムレスな場
パーク ハイアット 東京は、新宿駅から徒歩約12分という距離にありながら、特別な期待感をもってゲストが訪れる非日常的なホテルです。
なぜ、このようなアクセスがよいとはいえない場所にありながらも、25年に渡って稀有な存在感を示しているのかと考えた時に、私はタイムレスというコンセプトが大きな役割を果たしているのではないかと思います。
印象に残る素晴らしい食事とは、緊張からリラックスへと気持ちが解れていき、高揚から安心へと心が穏やかになっていく食体験です。つまり、場と一体化していくプロセスを有しています。タイムレスな食事は、時間が経つのも忘れ、食事した人と共に場と一体化したということなので、またとない食体験として記憶に刻まれるのです。
パーク ハイアット 東京がタイムレスな空間であり続ける限り、次回の開業50年となるJUBILEEにおいても、全く色褪せない唯一無二のホテルであり続けると私は確信しています。